翻刻
染出す色もふかみの山陰の
《見せ消ち:本|来》る人もなき瀧のしら糸
しかし今は漸に聞知りてや権現社内連《見せ消ち:誂|俳》詩
哥の学楽書抔色に風景ありといへ共いとまなく記
さす病有ものは此瀧にうたれに《見せ消ち:本|来》るとて切たる
本ゆひ夥し霊験あらたなるよし
山ふかみわけいる瀧の清けれは
我か心まてすみまさりけり
又道下村ゟ此瀧見物あるには向の山を越へ六郎木
村といふを経て行かことし六郎木村は道下ゟ
三拾町余有山中にあり大唐竹の御薮あり小杦
村といふを経て礒辺へ出れは五十洲村也六郎木
村より三十二弐町有道難所なり此所失徳の蛇地と
て昔女の身を投死せし霊蛇になり住みしとて
有又泪の池ともいへる由池の名あわれに夏草
をわけ入しに池は水草に埋れて
今更に泪の池のわかぬ水草
拾五町礒伝ひ行は皆月村余程よきむらにて