翻刻
浜の石崎抔所海売きて嶋国なりしといへり
日本の北嶋の陰国にして鬼門たり始は越中の
内にても鬼界ヶ嶋といふて人も住す有し
によつて化鳥大蛇住て人を取喰ふ是は
第六天の魔王我国を取かへさんとあまくたり
て神力降魔の通力失せ行所なき外魔の
集り所なりしと気多の御神此変化を退治
ありしより次第に人家出来て一国となれり
今も山田の龍大明神鷲嶽八幡宮等の縁
起に残れり又俊寛僧都丹波の少将平 半(判)官
三人の配所も此能登にて所々其旧跡有中
にも留木の■打山といふに俊寛三拾三所の観
音を移して順礼ありしとてあり又成経
康頼帰《見せ消ち:路|洛》祈りの為三熊野権現を勧受あ
つて毎日社参ありしとて熊野方といふに
権現の大社あり又聞両人帰《見せ消ち:路|洛》ありて内府
平の重盛に此事聞給ひ元より三熊野は本
家信仰の御神なれば御神躰を越中の闇野