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煮山椒(にさんしやう)の伝
一 朝倉山椒(あさくらさんしやう)のよきをえらみ取 鍋(なべ)にてゆで上 ̄ケあらき枝(ゑだ)を
切(きり)笊(ざる)にて水を切(きり)味(み)りん酒(しゆ)にて能々 煮(に)焼塩(やきしほ)にて塩梅(あんばい)付(つけ)る也
煮蕃椒(にとうがらし)の伝
一 蕃椒(とうがらし)のあとさきを切たねを抜(ぬき)ほうろくにていり鍋(なべ)にてゆで
一日一 夜(や)水に漬(つけ)能々 水を切(きり)味淋酒(みりんしゆ)と焼塩(やきしほ)にて塩梅(あんばい)を
付(つけ)るなり
紅生姜(べにしやうが)の伝
一もやし生姜(しやうが)はゆたぎりたる中へ入 酢(す)と塩(しほ)と二 色(いろ)合(あはせ)て塩梅(あんばい)
致し右の酢(す)の中へ入しばらく置(おけ)ば紅(べに)出る也又 新(しん)しやうがは
もやし生姜(しやうが)より湯(ゆ)の中へしばらく入 仕様(しやう)同断(どうだん)
料理(れうり)心得(こゝろえ)之部
三 羹(かん)三 麺(めん)の事
一日本にては三 麺(めん)は専(もつは)ら用(もち)ゆれ共三 羹(かん)は中華(もろこし)の沙汰なり
いかにとならば鼈羹(べつかん)はすつほんの羹(あつもの)也 羊羹(やうかん)はひつじの羹(あつもの)也
牛羹(ぎうかん)とは牛(うし)の羹(あつもの)也 仍(よつ)て日本にては三 羹(かん)を菓子(かし)に直(なほ)して
所謂(いはゆる)べつかんは小麦焼(こむぎやき)也 羊羹(やうかん)は皆(みな)知(し)る所也 牛羹(ぎうかん)は牛皮飴(ぎうひあめ)也
三 麺(めん)は汁(しる)まんちううんめんちよくめん是(これ)を三 麺(めん)といふ也