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料理(りやうり)膳部(ぜんぶ)庖丁(ほうてう)三 職(しよく)心得(こゝろえ)之事
一 料理(りやうり)は食医(しよくい)にして肴核(かうがい)の薬(くすり)と毒(どく)とを能(よく)弁(わきま)へて献(こん)を
立(たて)る事第一としるべし
一 膳部(ぜんぶ)人は古実(こじつ)を以て慶賀(けいが)の祭事(まつりこと)を初献(しよこん)より三 献(こん)九 献(こん)
極意(ごくい)の十九 献(こん)に至(いた)る迄こと〴〵く修行(しゆぎやう)する事 肝要(かんやう)也
一 庖人(ほうじん)は箸(はし)庖丁(ほうてう)の達者(たつしや)を仕習(しなら)ひて後(のち)に花実(くわじつ)の切目(きりめ)正(たゞ)しく
流行(りうかう)に随(したが)ひ我意(がい)を出さず其 好(この)む所に任(まか)すべし
鱠(なます)の事
一 鱠(なます)は慶賀(けいが)の第一也上より下に至(いた)る迄 祝(いはい)日にはかて鱠(なます)と
いふをあしらへ慶賀(けいが)をとゝのふ此かて鱠(なます)といふは鱠に作(つく)りたる魚(うを)へ
時(とき)の青(あを)もの大根(だいこん)にんじんうどの類(るい)をきざみ魚の相手(あいて)に盛(もり)是(これ)を
かて鱠(なます)といふ也 鱠(なます)の本式(ほんしき)は魚計(うをばかり)を作(つく)りて盛事(もること)也なますの
ケンの意味(いみ)を知(し)らざれば慶賀第一の鱠(なます)とは知(し)れまじき也しやう
進(じん)の酢(す)あへにケンを付(つけ)る事 甚(はなはだ)あやまり也と云伝ふ
料理(りやうり)三真(さんしん)の事
一 料理(りやうり)に三真といふ事あり三真を覚(おぼ)へずして料理を
出すべからず三 真(しん)を知らずして料理を誉(ほむ)むべからずと古人(こじん)の