東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

料理通 - 翻刻

料理通 - ページ 40

ページ: 40

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    菓子(くわし)の心得の事 一 菓子(くわし)といふは砂糖(さたう)にて製(こしらへ)たるものにあらず菓子(くわし)はくだ物也  四季(しき)の木実(このみ)草実(くさのみ)をいふ料理(りやうり)の終(をは)りに出す事は料理の  厚味(かうみ)魚鳥(ぎよてう)を食(しよく)し食熱(しよくねつ)をさますため也料理にかゝはり  たるにはあらず後(のち)に工夫(くふう)ありて作(つく)れる也 砂糖(さたう)は冷(れい)なる物なれば  悪(あし)き物にあらず宜(よろし)しといへどもさりながら木(こ)の実(み)草(くさ)の実(み)を  盛合(もりあはせ)出すが宜(よろ)し此 理(り)を捨(すつ)べからず茶請(ちやうけ)は砂糖(さたう)にて作(つく)り  たる品(しな)宜(よろ)し茶(ちや)の味(あぢは)ひには宜(よろしき)もの第一也 仍(よつ)て茶菓子(ちやくわし)とは  献立(こんたて)には書(かゝ)ず茶請(ちやうけ)と書事(かくこと)也     水栗(みづくり)の事 一 重(おも)き慶賀(けいが)の振舞(まふるまひ)には茶請(ちやうけ)に水栗(みづくり)といふて生(なま)の栗(くり)を  巴(ともへ)の形(かたち)にむきて茶請(ちやうけ)の盛合(もりあはせ)にする古実(こじつ)也これは巴(ともへ)の形(かたち)  立波(たつなみ)の打合(うちあはせ)清正(せいしやう)の水形(すいぎやう)也三つ巴(ともへ)にむくは三 数(すう)也又 一説(いつせつ)に  住吉(すみのえ)の上筒(うはつゝ)中筒(なかつゝ)底筒(そこつゝ)の三神也 是(これ)も清(きよ)き水に住(すむ)なれば  むべ也いづれも清(きよ)き水此巴の形(かたち)の水栗(みづくり)にて口を清(きよ)め茶(ちや)を  請(うけ)るといふ仍(よつ)て神前(しんぜん)の手水鉢(てうづはち)などにも三つ巴(ともへ)を付(つけ)ると見えたり  茶事(ちやじ)の会席(くわいせき)には茶請(ちやうけ)に水栗(みづくり)を用(もち)ひず凡(およそ)茶事  には中立をしてかこひへ入ときに手水(てうづ)を遣(つか)ひ席(せき)へ入る故(ゆゑ)に