東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

料理通 - 翻刻

料理通 - ページ 42

ページ: 42

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    魚(うを)のかい敷(しき)の事 一 生魚(なまさかな)のかいしきに青(あを)き物の葉(は)を敷(しく)事は昔(むかし)は柏(かしは)の葉(は)  椎(しい)の葉(は)に盛(もり)て食(しよく)したるよし笥(け)に盛(もり)て喰(くひ)し事ははるか  後(のち)の事也 柏伝記(はくでんき)と云(いふ)書(しよ)に料理(りやうり)人を柏人(はくじん)と呼(よび)魚板(まないた)を切(きり)  扣(ひかへ)といふとかや例年(れいねん)正月二日には柏人(はくじん)楽(がく)に合(あは)して御 庖丁(ほうてう)  初(はじ)めに鶴(つる)の御 庖丁(ほうてう)あるとかや世(よ)にこれを楽(がく)の御 庖丁(ほうてう)と  いへるとなり又 古哥(こか)に   家(いへ)にあらば笥(け)に盛(も)る飯(いひ)を草枕(くさまくら)旅(たび)にしあれば椎(しい)の葉(は)に盛  と詠(よせ)せられしも椎柏(しいかしは)に盛(も)りし初(はじ)めをいへるなるべし     土器(かはらけ)椀(わん)の差別(しやべつ)の事 一 清少納言(せいせうなごん)枕(まくら)の草紙(さうし)にも清(きよ)きもの土器(かはらけ)畳(たゝみ)にさす若(わか)木と  書(かゝ)れし也 誠(まこと)に神仏(しんぶつ)に備(そなふ)るもの皆(みな)土器(かはらけ)也 夫(それ)を略(りやく)して大白の  瀬戸物(せともの)と成(なり)又 略(りやく)して染付(そめつけ)の瀬戸(せと)ものと成 是(これ)を略(りやく)して鶴(つる)  亀(かめ)の赤絵(あかゑ)のもやう椀(わん)と成る是を世(よ)に喰初椀(くひそめわん)といふ夫(それ)より  黒無地椀(くろむぢわん)と成てより朱(しゆ)の椀(わん)と略(りやく)す金(きん)にて沃懸(いつかけ)抔(など)したるは  饗応(きやうおう)料理(りやうり)慶賀(けいが)等に決(けつ)して用ざる事也 然(しか)るを沃懸(いつかけ)ある  椀(わん)を最上(さいじやう)と思へる也其あやまりを能(よく)心得べしと古人の云(いひ)