琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

骨董録 - 翻刻

骨董録 - ページ 86

ページ: 86

翻刻

時に及ひて宜く其御沙汰有へき御事に候歟 たとひ彼國の者共の我國におゐて宿怨こと ことくに解やらすとも 東照宮の彼國を再造せられし御恩に於ては 其國王大臣にありて相忘るへからさる事に 候へは我國におゐても唯隣國の御交を全く せらるへき事國體に於ても可然御事に候と 存寄たる故にて候ひき然るに 前御代 御他界の後に至りて朝鮮の大學士 崔鳴告と申せし者の其大臣と相議し國王に 申て修し正し候攷事撮要と申其書を見候に 慶長以來彼國の使來りし事共みな〳〵其情 形を偵探【左に「ウカヽヒサグル」と有】して明の天子に奏聞せし由を記し き《割書:我國の案内撿見の|使と申す事なり》それのみならす 東照宮の御事始奉りて 御代代の御事皆皆倭酋を以て稱し候ひき彼 國の人常に隣國の交は禮と信とを以てする 由を申又朝鮮は古より禮義の邦也なとゝ申 そ事に候得とも我國にひかひて隣好を繼て 聘禮を脩め候と申て其國にては倭情を偵探 するの使とし吾邦にむかひては國王を以て 尊ひ稱し其國にては賤しめ稱して倭酋と申 候事何の禮とし信とする所候はんやなにの 禮義の邦とすへき所候はんや誠に古に申傳