翻刻
有(あつ)て紀伊国(きいのくに)千里浜(ちさとのはま)の遠干潟(とをひかた)俄に陸地(くがち)になる事二十|余(よ)町
同七日|酉尅(とりのこく)に地震あつて富士(ふじ)の絶頂(ぜつちやう)崩(くず)るゝ|事(こと)数(す)百丈《箱:太平記》
《箱:建武》元年八月廿七日|暁(あかつき)大地震同十二月十三日同前《箱:光明天皇》《箱:暦應》
元年七月十九日同前同廿二日地震《箱:観應》元年七月二日|申(さる)亥両尅
地震|将軍墓(しやうぐんづか)鳴動(めいどう)する事以の外なり○同二年二月十九日大
地震|将軍墓(しやうぐんづか)又(また)鳴動(めいどう)す三月十七日|天変(てんべん)今夜(こんや)又地震四月
十一日|辰刻(たつのこく)同前《箱:後光厳(ごくわうごん)天皇》《箱:康安》元年六月廿日大地震す其(その)以後(いご)
連綿(れんめん)と大地震す京|南都(なら)堂舎(とうしや)顛倒(てんどう)す以上《箱:皇年代略記頭書》《箱:延文》五年
六月大地震度々|火災(くはさい)もあり十八日よりはじまりて七月に至(いた)り
てやまず淡路島(あはじしま)津波(つなみ)人馬(にんば)不残(のこらず)死(し)す七月廿二日 雪(ゆき)ふり廿四日
山の如(ごと)く雪ふりて地震やまず《箱:後小松天皇》《箱:應永》九年春|彗星(はゝきほし)
出(いで)夏(なつ)大旱(おほひてり)秋(あき)洪水(おほみづ)大風冬地震同十四年正月五日大地震《箱:合運図》
同二十六年十月|関東(くわんとう)大風木をぬき屋(いへ)を発(あば)き地大に震(ふる)ふ同三十年三
月 地(ち)しば〳〵震ふ 以上《箱:続皇朝史略》《箱:後花園(ごはなぞの)天皇》《箱:永享》四年九月十六日大地
震(ふる)ひ山崩(やまくづ)るゝ《箱:本朝年代記》同五年|鎌倉(かまくら)地大に震(ふる)ひ山崩(やまくづれ)地裂(ちさく)る《箱:続史略》
同六年十二月地しば〳〵震(ふる)ふ《箱:薩戒記》同十二年九月八日大地震《箱:本朝年代記》
《箱:嘉吉》三年六月地大にふるふ《箱:康富記》《箱:文安》元年四月廿七日同前|是夜(このよ)太白(たいはく)
星(せい)と鎮星(ちんせい)と相(あい)犯(おか)す《箱:続史略》同五年|水災(みづのわざはひ)地震(ちしん)疾疫(やくびやう)飢饉(きゝん)《箱:宝徳》元年
四月十日|京師(みやこ)地大に震ひ屋(いへ)傾倒(かたふきたふ)れ八幡山(やはたやま)地(ち)裂(さけ)嵯峨(さが)の五大尊(ごだいそん)倒る
後数日(のちすじつ)大に震(ふる)ふ《箱:文正年代記》《箱:康富記》《箱:合運図》《箱:享徳》二年八月十三日より三日の
間(あいだ)地震(ぢしん)やます《箱:本朝年代記》《箱:康正》元年十二月|晦日(みそか)夜(よ)大地震《箱:合運図》《箱:寛正》
元年二月地大に震(ふる)ふ同十月七日同前《箱:続史略》《箱:後土御門天皇》《箱:文正》元年
現代語訳
紀伊国の千里浜の遠い干潟が俄かに陸地になること二十余町に及んだ。
同年七月七日酉の刻に地震があり、富士山の山頂が崩れること数百丈に及んだ。
建武元年(1334)八月二十七日暁に大地震、同年十二月十三日にも同様の地震があった。
光明天皇の時代、暦応元年(1338)七月十九日に地震、同二十二日にも地震があった。
観応元年(1350)七月二日申・亥両刻に地震があり、将軍墓が異常なほど鳴動した。同二年二月十九日に大地震があり、将軍墓が再び鳴動した。三月十七日に天変があり、この夜も地震があった。四月十一日辰の刻にも同様であった。
後光厳天皇の時代、康安元年(1361)六月二十日に大地震があり、その後連続して大地震が続いた。京都や奈良の堂舎が倒壊した。
延文五年(1360)六月に大地震が度々起こり、火災もあった。十八日から始まって七月まで止まなかった。淡路島では津波により人馬が残らず死んだ。七月二十二日に雪が降り、二十四日には山のように雪が降って地震は止まなかった。
後小松天皇の時代、応永九年(1402)春に彗星が現れ、夏に大旱魃、秋に洪水・大風、冬に地震があった。同十四年正月五日に大地震があった。同二十六年十月に関東で大風により木が抜け家が壊され、大地震があった。同三十年三月に地震が頻発した。
後花園天皇の時代、永享四年(1432)九月十六日に大地震があり山が崩れた。同五年に鎌倉で大地震があり、山崩れと地割れが起こった。同六年十二月に地震が頻発した。同十二年九月八日に大地震があった。
嘉吉三年(1443)六月に大地震があった。
文安元年(1444)四月二十七日に地震があり、この夜太白星と鎮星が相犯した。同五年に水災・地震・疫病・飢饉があった。
宝徳元年(1449)四月十日に京都で大地震があり、家屋が傾き倒れ、八幡山で地割れが起こり、嵯峨の五大尊が倒れた。その後数日間大地震が続いた。
享徳二年(1453)八月十三日から三日間地震が続いた。
康正元年(1455)十二月大晦日の夜に大地震があった。
寛正元年(1460)二月に大地震があり、同年十月七日にも同様であった。
文正元年(1466)...