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コレクション: 弘法大師関連資料

弘法大師御本地 3巻. [3] - 翻刻

弘法大師御本地 3巻. [3] - ページ 12

ページ: 12

翻刻

【挿し絵】 観賢(くはんけん)座主(ざす)。立のき給ひて。御弟子の俊祐(しゆんゆう)をめ され。いかに此御有さまを。おがみたてまつるやと。 尋給ひけれは。内供奉(ないぐぶ)は。かすみにこもりたる心 ちして。見たてまつらずとそ申されける。座主は あはれにおほしめされて。内供奉(ないぐぶ)のてを取(とり)て 大師の御ひざに。ひきあてさせ給ひ。これこそ 御ひざよとの給へば。俊祐はみたびまでなで まいらせけり。そのうつり香(が)は。内供奉(ないぐぶ)のてにとゞ まりてうせざりけり。石山にかへりて。手づから うつし。又とりてよむ聖教(しやうげう)に。その匂ひうつりて。

現代語訳

【挿し絵】 観賢座主は立ち退かれて、御弟子の俊祐を呼ばれた。「どうだ、この御有様を拝み申し上げるか」と尋ねられると、内供奉は「霞に籠もったような心地がして、拝見できません」と申し上げた。座主は哀れにお思いになって、内供奉の手を取って大師の御膝に引き当てさせられ、「これこそが御膝である」とおっしゃると、俊祐は三度までも撫で申し上げた。その移り香は内供奉の手に留まって消えることがなかった。石山に帰って、手ずから写し、また取って読む聖教に、その匂いが移って(いた)。

英語訳

[Illustration] Abbot Kangen stepped aside and called his disciple Shunyū. "How is it? Can you behold this sacred state?" he asked. The inner palace monk replied, "It feels as though I am enveloped in mist, and I cannot see." The abbot felt compassion and took the inner palace monk's hand, guiding it to touch the Great Master's knee, saying, "This is his sacred knee." Shunyū reverently touched it three times. The lingering fragrance remained on the inner palace monk's hand and would not fade. When he returned to Ishiyama, the sacred texts that he copied by hand and took up to read were imbued with that fragrance.