翻刻
恩沢(をんたく)をかふむる瑞相(すいさう)なりと占也
〇晴天(せいてん)に日を見れは万事 順理(しゆんり)にしてかならす
其人 威光(ゐくわう)を増(ます)也又天 曇(くもる)を見れは物すなは
ち色(いろ)を失(うしな)ふておとろく事ありと占也
〇坡(つゝみ)の崩(くつれ)るを見れは其見る人 田畑(たはたけ)の損亡(そんほう)あ
りと占也
〇ひとり僧尼(そうあま)を見れは其 家内(かない)に隠居(いんきよ)する
こゝろさしある人ありと占也
〇大工を見れは其見る人の門戸(もんこ)をあらた
むる心ありと占也
〇懐妊(はらみ)たる女を見れは其 座(さ)に居(ゐる)人の内 胸中(むねのうち)
に大に兆(きさす)事ありと占也
〇猟師(かりひと)にあへは思はさる野外(やくわい)の財(たから)を得事
ありと占也
〇矢ありて弓なきを見れは其見る人何事
も試(こゝろむ)る事ならさる也
〇衣服(いふく)を裁(たつ)を見れは万事 破(やふれ)て後に又
成就(しやうしゆ)する事ありと占也
〇扇団(あふきうちわ)を見れは其見る人 近内(ちかきうち)に人にまね
かれるのしるしと占也