翻刻
【右丁】
《振り仮名:翌-歳|よくさい》夏(なつ)に至(いたり)て熟(じゆく)し中(うち)に《振り仮名:四-隔|しかく|よつにへだつ》をなし《振り仮名:隔|かく|へだて》毎(ごと)に子(し)ありこ
れを播(ほどこせ)ば即(すなはち)生(しやう)ず又(また)《振り仮名:白-色|はくしよく》の《振り仮名:間-道|かんだう|たてすぢ》をなし或(あるひ)は《振り仮名:白-点|はくてん|しろきぶつ〳〵》のあ
るあり其(その)《振り仮名:一-種|いつしゆ》なり《振り仮名:一-帆-青|いつはんせい》《振り仮名:馬-耳-蘭|ばじらん》の《振り仮名:稱|しよう|となへ》あり《振り仮名:漢-名|かんみやう|もろこしのな》にあ
らずばらんの《振り仮名:稱|しよう|となへ》は《振り仮名:馬-蘭|ばらん》なり馬(ば)は《振り仮名:大-率|おほむね》賤(いや)しきの《振り仮名:稱|しよう|となへ》或(あるひ)は
大(おほ)きなるの稱(しよう)猶(なほ)《振り仮名:馬-莧|ばけん|むまひゆ》《振り仮名:馬-蓼|ばれう|いぬたで》のごとし《振り仮名:一-葉|ひとつば》の稱(しよう)は《振り仮名:琉-球|りうきう》の
《振り仮名:方-言|はうげん》に拠(よ)れるか《振り仮名:葉-蘭|はらん》の稱(しよう)は花あるを知(し)らずして云(い)ふ
なるべし
【左丁】
【図】
【印】藤原■眞
現代語訳
【右丁】
翌年の夏に至って熟し、中に四つの隔室をなし、隔室ごとに種子がある。これを播けばすぐに生育する。また白色の縦筋をなすものや、あるいは白い斑点があるものもある。その一種である。一帆青、馬耳蘭の呼び名があるが、これは漢名ではない。ばらんの呼び名は馬蘭である。馬は大抵、卑しいものの呼び名、あるいは大きなものの呼び名で、馬莧(スベリヒユ)、馬蓼(イヌタデ)のようなものである。一葉の呼び名は琉球の方言によるものであろうか。葉蘭の呼び名は花があることを知らずに言うのであろう。
【左丁】
【図】
【印】藤原■眞
英語訳
【Right Page】
By the following year's summer they ripen, forming four compartments inside, with seeds in each compartment. If these are sown, they immediately grow. There are also varieties with white vertical stripes, or some with white spots. These are varieties of the same species. It has the names ippansei and bajiran, but these are not Chinese names. The name "baran" comes from "baran" (horse orchid). "Ba" (horse) is generally a term for lowly things, or a term for large things, like baken (purslane) and baryo (smartweed). The name "hitotsuba" (single leaf) may be based on Ryukyu dialect. The name "haran" (leaf orchid) is probably said by those who do not know that it has flowers.
【Left Page】
【Illustration】
【Seal】Fujiwara ■shin