翻刻
【右】
温保すべし又室を清楚にし且 ̄レ白色になすべし努めて窓を
開帳し不潔の物あらば速に之 ̄レを去るべし又有害の臭氣を
避くる適當の藥劑を用ふるべし又住宅の近傍に糞壤其他不
潔の汚積あり又汚臭の水嫌惡の氣若くは有害の諸物あら
ば速に之を除却すべき權ある其他の長官に之 ̄レを訴ふべし
杉田玄端謹譯
【左】
コレラ病流行の歴由《割書:千八百五十三年版シカットカー|ムル第八巻八十一葉に出づ》
近時殆ど欧羅巴全州を荒亂せし傅染病の再流行は自然に
新に當時の用心を起すに至れり千八百二十年に始て痧病
を發すること印度に於けるが如し此病は印度より起りて裏
海黒海の中間なる波斯彎を過き俄羅斯に到りて全欧羅巴
洲を一周し千八百二十七年/慕尼克(ミュニセン)及び其近傍にて始て消
滅するに至れり今其再流行は如何なる事を生すべきや預
め知るべからず然れとも千八百三十年の同日に没斯科(モスコウ)に
到りしことは我輩粗 ̄く之 ̄レを知れり孟加拉(ベンガラ)は年々多少流行す
るを以て此病の本地に屬す此地にては千八百四十五年春