翻刻
【右】
を取るべし此時賃銀は航海の常費として舩々必ずこれを出
すことと定めたり又其非常者は船々若 ̄シ流行病ある地域は夫
と疑ふべき地より來れる時出すを要するの失費なり此失
費は常者よりは之 ̄レを出す間日久しく賃銀も亦大ならざる
を免かれず此法は諸國の法則と風習とに従て船積荷及び
運賃に割り付て大損となるべし
杉田玄端謹譯
【左】
檢疫の説《割書:千八百四十三年版ア、マレヌヘヱイム|の著せるハンテルス、マガセイン撮譯》
凡そ檢疫院の趣意は先づ他國に惡き疫病流行して其人民
より我國民に傅染し普く國中に行渡り多くの人命を害す
ることを防んが為め冝き地を選み檢疫の制を設るなり是故
に他國と盛に交通貿易をなす國は必ず此制を設置けり此
制は其船より來る者を上陸せしめず又此方より其船中へ
行くことなく又其荷物をも陸へ揚しめず但 ̄シ此日限をクワラ
ンタイネと言ふクワランタイネは四十日の義なり往古は
此院中に入るべき日限を凡四十日と定めしに因り此名目
あり然れども當今は其模様に従て日限を取定めたり