翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - 翻刻

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - ページ 32

ページ: 32

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【上段】 根源(こんげん)《割書:朝鮮(てうせん) 干牛丸(ひぎうぐはん)  《割書:壱貼 八十銅|半貼 四十銅》|秘伝(ひでん) 同練薬(おなじくねりやく) 《割書:百目 八匁|五十目 四匁》》  《割書:朝鮮|名方》人参奇応丸(にんじんきわうぐはん) 《割書:一服 百銅|半服 四十八銅》     《割書:かうのう包紙ニしるす| 》 此薬者(このくすりは)朝鮮国(てうせんこく)名医之家蔵而(めいいのかざうにして)世於優焉(よにすぐれたる) 神剤也(しんざいなり)常服之則(つねにふくすれば)使老為童(おひたるをわかやがし)身体壮健(しんたいすこやかに)行(ぎやう) 歩(ぶ)《振り仮名:如()_レ馳|たつしやに》潤骨髄(みをうるほし)黒毛髪(かみをくろくし)固歯牙(はをかたくし)於莫夭死(わかじにするの) 之憂矣(がいなし)寔可(まことに)云人家之至宝焉若在虚損(にんげんのいへのたからとするといふべし) 之人以欲補之則緩久於可(もしきよそんのひとおぎなひにのまんとおもはゞ)多服其効積(ゆる〳〵とおほくのみてよし) 日重月著也矣(そのしるしにち〳〵げんみへるなり) 一此くすり男女(なんによ)にかぎらず用(もち)ゆれば第一 脾胃(ひゐ)をとゝ  なふる事(こと)はなはだめうなり 一 脾胃(ひゐ)とゝなふゆへに気血(きけつ)をめぐらし中風(ちうふう)おこる事なし 一脾胃とゝなふゆへに腎水(じんすい)をまし膚(はだへ)をうるほし痩(やせ)たる人  に肉(にく)をつけ筋骨(すじほね)をさかんにする事(こと)めうなり 一脾胃とゝなふゆへに寒気(かんき)と暑気(しよき)にあたる事なし 一脾胃とゝなへば眼(め)かすまずみゝならず頭(づ)つうけんうんのぼせ  を引(ひき)さげこゝろはれやかになる事めうなり 一脾胃とゝなふゆへに食(しよく)をすゝめ一切(いつさい)ものあたりせず 一脾胃とゝなふゆへに全体(ぜんたい)すこやかなるによつてはやりやまひ  疫びやうをうけることなし 一脾胃とゝなひ下部(げぶ)あたゝまるゆへにべんしけきをやめ  寐(ね)にべんをとめる事はなはだめうなり 一脾胃とゝなふ故(ゆへ)腹下(はらくだ)るに用てしるし有事 神(しん)のごとし 一脾胃とゝなふゆへ持(し)びやうおこる事なし 一婦人 血(ち)の道 一切(いつさい)によし又は腰冷(こしひへ)月水不順(けいすいふじゆん)にて気(き)おもく  痩(やせ)おとろへぶら〳〵わづらふに用ひて大にめうなり 一 子(こ)なき女(おんな)に此くすりを用れば下部(げぶ)をあたゝめるゆへさつ  そくはらむ事うたがひなし 一 産前(さんぜん)に用ひて下部(げぶ)をあたゝむるゆへさんやすし産後(さんご)  に用ひて脾胃(ひゐ)をおぎなひ血(ち)をおさめ乳(ち)汁をおほく  出(いだ)す事めうなり 一 小児(せうに)に用ひて胎毒(だいどく)をくだし疱瘡(ほうさう)はしかをかろくし  むしを下し五疳(ごかん)を治すよつて心身(しん〳〵)すこやかなるゆへ  夜(よ)なきせず物(もの)ニ驚(おどろか)す流行病(はやりやまひ)をうえkず疫病(やくひやう)うくる事なし ○右(みぎ)之 外(ほか)かうのう書(かき)つくしがたしこゝに書処(かくところ)はわづかに九牛(きう〴〵)が  一毛(いちもう)をあらはすものなり能書(のうしよ)をもつてかんがへ満万びやう  に用ゆべし老若男女(らうにやくなんによ)一切(いつさい)病後(びやうご)に用ゆるときは元気(げんき)をまし  体をすこやかにするの妙剤(めうざい)なり   ○もちひやう ○朝昼夜(あさひるよる)と三 度(ど)すきはらにさゆ又はあたゝめさけにて一度  に三十りうほどづゝ用ゆべし ○小児(せうに)は其(その)としの数(かず)ほどづゝさゆにて用ゆべし ○ねりやくは【○】ほどにして一日に三度用てよし         食物(しよくもつ)よろづさし合(あひ)なし 大阪天満なには橋北詰一丁目西 対馬浜屋敷門口弘所【印】 根元弘所は当浜屋敷門口一家にかぎり候処きんらい やしき近辺に類薬おほく出来候間本弘所とくと ぎんみのうへ其真偽をたゞし求めらるべし 【下段】 《割書:朝|鮮》秘伝干牛丸   此丸薬第一 脾胃(ひゐ)を調え気を増(まし)   食を進メ筋骨(すぢほね)を強(つよ)くし行歩(ぎやうふ)を   健(すこやか)に諸虚(しよきよ)百 損(そん)を治ス良法也 一男女 脾胃(ひゐ)虚弱(きよじやく)にして常に腹中■  あかく或は渋(しぶ)り又は痛によし 一男女手足 冷腰(ひえこし)膝痿癖(ひざしびれなへ)或はいたみ  又は老人寒気に堪(たへ)ず通夜(よもすがら)小便  茂(しげ)く摎(しぶり)疼(いたみ)下ルによし 一 虚労(きよろう)虚熱(きよねつ)自汗(ひやあせ)盗汗(ねあせ)によし 一 婦人(ふじん)月水調らず腰膝(こしひざ)疼(いたみ)白血長  血或は下性(げしやう)冷衰(ひえおとろへ)て久敷 孕(はらむ)事  なき症によし 一小児一切 疳症(かんしやう)によし 一中風一切によし  右服法は酒又は素湯(さゆ)にて一度に  三十粒ツヽ一日ニ三度服すべし小児は  其年数 応(おう)すべし食物万差合なし  尤神前仏前けかれなし 夫朝鮮牛は無病(むひやう)壮健(そうけん)の黄牛を撰(ゑら)み 数月黒胡麻にて蓄養(かいやしなひ)肥膚(ひふ)潤(じゆん) 沢(たく)なるを待て此を屠(ほふる)則他牛に倍(ばい)せる 凡高位高官の外諸人供する事能はず 依_レ之 濫(みだり)に殺(ころ)す事を禁(きん)す故に値(あたい)も貴(たか)し 外にも牛肉有といへども精味異法の功能 同しからず世上此薬の名目所々に多し といへ共本 製(せい)の証跡を告(つぐ)る事しかり   大阪天満十一町目対馬屋鋪 調合所  舟越新七【印】