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コレクション: コレクション2

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - 翻刻

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - ページ 33

ページ: 33

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【看板】     朝鮮白鹿書 《割書:朝鮮|秘伝》 干牛丸   本家対馬屋敷舟越新七 【其下】 所はなにはばし北づめ三すじ西 対馬(つしま)はまやしき横町東(よこまちひかし)がは むかしより如此(かくのごとく)かんばん出(いだ)し有之(これあり)候 尤(もつとも)薬(くすり)上包(うはつゝみ)ニ 此(この)朱印(しゆいん)おし有之(これあり)候 間(あいだ)御 改(あらため)御もとめ可被下候 【朱印】 抑(そも〳〵)対馬屋敷(つしまやしき)より出(いで)候 干牛丸(ひぎうぐはん)の儀はゆへ有(あつ)て此方(このほう)一人にかぎり忝(かたじけなく)も看板(かんばん)被差免(さしゆるされ)根元(こんげん)売(うり) 弘(ひろ)め候 処(ところ)近年(きんねん)類名(るいめい)の薬(くすり)あまた出来(でき)甚(はなはだ)紛敷(まぎらしく)わけて御断(をんことはり)申候 予(よ)が家(いへ)に伝(つたは)る薬方(やくほう)は朝鮮人(てうせんじん)より 伝来(でんらい)一子相伝(いつしさうでん)にて他(た)のしる方(ほう)ニあらずも尤(もつとも)舟越新七の四字は対州公(たいしうこう)より拝領(はいれう)致候 名(な)なれば 猥(みだ)りニこれを類(るい)する事(こと)あるまじく候よつて当所(とうしよ)はもちろん諸国(しよこく)に出(いだ)し置(をき)候取次かんばんに至(いたる) まで右(みぎ)拝領(はいれう)の名字(なじ)しかと相(あひ)しるしこれあり候 間(あいだ)名印(ないん)等(とう)御改(をんあらた)め可被下候かつまた此方(このほう) 屋敷辺(やしきへん)にてひぎう丸(ぐはん)とばかり御尋(をんたづね)被成候てはきんべんよりおしへ人など出(で)本家(ほんけ)おしへ しんずべく抔(など)と外々(ほか〳〵)へつれ行(ゆき)候 事(こと)毎度(まいど)見きたり甚(はなはだ)紛敷(まぎらしく)御座候御 入用之節(いりようのせつ)は対馬屋敷(つしまやしき) 船越新七(ふなこししんしち)と名(な)を御たづね可被下候已上 一包八住八拾銅 半包四拾銅 ○此(この)丸薬(ぐわんやく)第一(だいいち)脾腎(ひじん)を調(とゝの)へ元気(げんき)をまし食(しよう)を進(すゝ)め筋骨(すぢほね)を強(つよ)くし行歩(ぎやうぶ)健(すこやか)ニ諸虚百損(しよきよひやくそん)を治(ぢする)良法(りやうほう)也 ○男女(なんによ)脾胃(ひい)虚弱(きよじやく)にして毎度(まいど)食(しよく)あたり不食(ふしよく)し腹(はら)くだり腹(はら)なり腹(はら)はる等(とう)ニよし○男女(なんによ)手足冷(てあしひへ)腰膝(こしひざ)  よはく又(また)は老人(らうじん)寒気(かんき)に不堪(たへず)終夜(よもすがら)小便(せうべん)しげく陰頭(いんとう)挙(あげ)らざる等ニよし○婦人(ふじん)月水(ぐはつすい)不調(とゝのはず)腰(こし)ひざ  痛(いたみ)白血(しらち)長血(ながち)或(あるひ)は下焦(げせう)冷衰(ひへをとろ)へて久敷(ひさしく)孕(はら)む事(こと)なき症(しやう)によし○産前産後(さんぜんさんご)産労(さんらう)によし ○虚労(きよらう)虚熱(きよねつ)自汗(ひやあせ)盗汗(ねあせ)抔(など)有(ある)ニよし○中風(ちうぶう)腫気(はれけ)痢病(りびやう)諸(もろ〳〵)の難症(なんしやう)他薬(たやく)を久敷(ひさしく)用(もち)ひて功(こう)なきよし ○小児(せうに)万病(まんびやう)ニよし凡(をよそ)小児(せうに)の病(やまひ)一切(いつさい)虚実(きよじつ)を不問(とはず)用(もち)ゆべし○大人(たいじん)小児(せうに)雀目(とりめ)一切(いつさい)虚眼(きよがん)によし ○諸病後(しよびやうご)元気(げんき)いまだ不服(ふくせず)痩(やせ)おとろへたるによし尤(もつとも)無病(むびやう)の人たり共(とも)常(つね)に服(ふく)すれば肌肉(きにく)を  生(しやう)じ血(ち)をまし気(き)をさかんにす是(これ)大に脾胃(ひい)を補養(ほよう)するがゆへなり  右(みぎ)服法(ふくほう)は酒(さけ)またはさゆにて一度(いちど)に三拾 粒(りう)ヅヽ服(ふく)すべし小児(せうに)は年(とし)の数(かず)に応(おう)ずべし  服薬(ふくやく)食物(しよくもつ)万(よろづ)差合(さしあひ)なし尤(もつとも)神前仏前(しんぜんぶつぜん)けがれなし 夫(それ)牛(ぎう)は諸薬(しよやく)ニ勝(すぐ)れ霊能(れいのう)有事(あること)本草(ほんざう)にも見(みへ)たり別而(べつして)朝鮮牛(てうせんぎう)は無病壮健(むびやうさうけん)の 黄牛(わうぎう)をゑらび数月(すげつ)黒胡麻(くろごま)にて畜養(かひやしな)ひ肌膚(きふ)潤沢(じゆんたく)なるを待(まち)て寒中(かんちう)に 屠渡(ほふりわた)し候(そろ)ニ付(つき)精味(せいみ)功能(こうのう)他牛(たぎう)の及(をよ)ぶ処(ところ)ニあらず依(よつ)て証跡(しやうせき)を告(つぐ)る事(こと)しかり 対州御免調合所 大坂天満拾壱丁目対馬屋敷 舟越新七製 【印】 《割書:朝鮮|秘伝》 加牛地黄丸    《割書:舟越新七製| 》 一剤箱入 代八匁 半剤   同四匁 小半剤  同弐匁 ○朝鮮(てうせん)の牛肉(ぎうにく)小うり仕候 【其下】 地黄丸(ぢわうぐはん)の儀(ぎ)は人々(ひと〴〵)知(し)る所(ところ)にして誠(まこと)ニ世(よ)の宝薬(たからくすり)也 然共(しかれども)日(ひ)をかさね 多服(たふく)せざれば其(その)功能(こうのう)遅(をそ)きもの也 予(よ)が家(いへ)の加牛地黄丸(かぎうぢわうぐはん)は朝鮮国(ていせんごく)の秘(ひ) 方(ほう)にて速功(そつこう)を取事(とること)妙(めう)也 尤(もつとも)加牛(かぎう)の外(ほか)ニ家(いへ)の秘薬(ひやく)等(とう)入(いれ)製方(せいほう)に甚(はなはだ)子細(しさい)有(あり)て 大根(だいこん)ねぶかの類(るい)さしかまひなく誠(まこと)ニ無二(むに)の妙剤(めうざい)也 尤(もつとも)地黄丸(ぢわうぐはん)は白髪(しらが)を生(しやう) ずといふ俗説(ぞくせつ)有(あり)誤(あやまり)也 此(この)ねり薬(やく)血(ち)を補(をぎな)ふ事(こと)専(もつはら)ならば白髪(しらが)を黒(くろ)く する事(こと)其理(そのり)明白(めいはく)なるもの也 大人(たいじん)小児(せうに)とも常々(つね〴〵)持薬(ぢやく)に用(もち)ひてよし別而(べつして) 暑寒(しよかん)の節(せつ)は其効(そのこう)神(しん)のごとし用(もち)ひやう并(ならび)ニ委敷(くわしく)功能(こうのう)別紙(べつし)ニ有之(これあり)候 第一さんせんさんこニ用てよし 半廻り分薬目正味壱匁五分入料百文 《割書:家|伝》 しらちなか血の御薬  摂州大坂江の小嶋西町 【(次コマ)】 【本家長門屋吉兵衛制】   御薬服法(おんくすりもちひやう) 一 此(この)くすり一廻分(ひとまはりぶん)もろはくのさけをあたゝめ一日(いちにち)に三 度(ど)ツヽ用ゆ おもきは右(みぎ)七日分を二日ニ用ひてよし尤(もつとも)半廻分(はんまはりぶん)は是(これ)に順(じゆん)ず 但(たゞし)さけにてたべがたきかたはさゆにさけを少(すこし)くわへて用ゆべしかくの 如(ごと)くさけにて用ゆといへどものみ汁(しる)の外(ほか)はさけをたべ申 事(こと)無用(むやう) 其外(そのほか)食物(しよくもつ)さし合(あい)なししかしちをりのする人(ひと)は左之通(さのとをり)をいむべし 一ゑび一たこ一いか一はつ一いわし一ちぬたい一しいたけ 【(次コマ)】 【一此くすりさんやくにて候 間(あいだ)かいをあけ申ときこほれ申】 【 さぬやうに御とりなやみしかるべく候】 【上部】 朱印 《割書:朝|鮮》 秘伝干牛丸 ○予が家に伝る加牛地黄丸は朝鮮国の  秘方にて速攻取事妙也尤加牛の外に 秘薬等入製方に子細有て大こんねぶか の類差かまひなく誠ニ無二の妙剤也 御望之方はくわしき能書可進候御 もとめ可被成候 ○突目■目の名方小児大人たりと□  あやまつて目をつく事有此薬管□  すくひて吹込べし忽治する事妙□  施薬(ほどこし)出し候何時にても可進候