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コレクション: 小倉百人一首

小倉抄 - 翻刻

小倉抄 - ページ 16

ページ: 16

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は有ましき物也然はある朝とく二人出テ海の躰なかむれは松は此方ニあり海は 松よりむかひにありされは松の梢をこす様にみえたるにその時男あれをみよ はや梢を波かこすほとにかはらんそといひてかはりたる時の哥也かたみトハ互に也 互にいかほとかためたれは末松山波こさんとはしらす浪のこえんまてといひしを 悔しく思ふ躰也程なくかはりたるを云躰也  心かはりたる女にとあり 松山には中の松主の松といふかある也山といはねとも也かはりたる人はとるにてなし 人のあたなるを知つゝ我契たる心か曲事也我をせめたる詞也                   権中納言敦忠   あひみての 是は逢てからは猶恋しさが満さる程ニ昔ハ一度ト思ひシハ思ふうちにてもなく侍 しと也又は忍ふといひてヲヤ〳〵とスル程ニ昔あはす侍し時は物ヲ思ふにてもなし と云心也    思ひのきさしては興をみんと思てかけをみては詞(コトハ)を通はさんと 思ふ詞を通しては一夜と思一夜通しては我領ニせんと思又逢初ては人目名ヲ つゝむ此か思也我胸中をあらはしてみせん用に恋の哥をは多く入ル物也哥ノ本 意は恋か本也胸のあくたを取出ん用也世間も如此也世俗の欲には いたゝきのなきと云心也                   中納言朝忠   あふことの 逢ふ會恋の題也 一度逢ての哥と也中〳〵一度もあはすは人をも身 をもうらむましきに中〳〵逢初しは恨と成たるそと也 東ノ常縁か云たるは一且の事に心得ル無曲也うはつらにてみんはおしきト也 世中ニたへて桜のなかりせはと云たると同意也中〳〵ニト云事はたゝはいかぬ也 五文字ニハ一向よまぬ也自然にみるへき也                   兼徳公   あはれとも そなたには忘られて又人にもとはれねは身の徒に成て居る也そなた故に人も 表といはねは只身は徒に成そと也向ノツラキ人ヲハ云マシキ也公界ノ人ノ事也 相思中ならはこそあらめさあらは身は。。。し ヌヘキ也                   曾根好忠   ゆらのとを 紀伊国一段あらき迫門也楫を絶テ舟を浪にまかせて置たる様ニ我恋は頼 方ナキト也 殷高宗傳説 ̄ニ若渉_二巨/海(川)_一以_レ汝為_二舟楫【一点脱ヵ】―傳説ヲ大切ニ思フ心《割書:聞エ|タリ》