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コレクション: 小倉百人一首

小倉抄 - 翻刻

小倉抄 - ページ 18

ページ: 18

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女ノもとにゆく 如此ノこと書也 明れは又暮る物トハしれとも先朝タカ【夕方カ】うらめしきと也 今朝夜の明たるやうに又くるゝものと有ましけれ共先明るかうらめしきと也 夜をへたてたまさかの事にてはなき也夕顔ノ巻ニあやしうひるまのへたてもつらう といひたる同心也【右に「哥」カ】かへるさの道やハ•••••••三代ノ宗匠ノ哥モ玉葉風ニ入レハ其躰ニ成也                  右大将道綱母    歎つゝ 《割書:拾遺 兼家公|》入道摂政まかりけるに門を ヽそく明けれハ立わつらひてといひ侍りけるに 是は 門を明る間さへ立ちわつらふと侍しか歎きつヽ独ぬる夜の明るまはいかに久しき心の うちとおほしめすそとの述懐哥也 よひから独ねたるはいかほと久しきか門を 明る間さへその分にいひ給ふにと也                  儀同三司母    忘れしの 中関白道隆かよひそめ侍し時とこと書ニアリ是は人の行末まて忘るましき 事はかたき程ニ只忘られぬさきにけふを限の命ともかなとの事也忘れぬさきに命を失たきとの事也                  大納言公任    瀧の音は 大覚寺に人〳〵まかりたる時にふるき瀧をみてよめる是は瀧のふりたるなから人は只 名を思へとの心也名は末代との心也《割書:人ハ一生ハ何をしてもわたるへきか名は万代に|わたるそと也》 行【右に「哥」と記す 『行く末を 思へばかなし 津の国の 長柄の橋も 名は残りけり』 源俊頼】末を思ふもかなしつの国。。。此哥によくかよひたると也  孔子ノ時西豹(セイハウ) ト云者何ニテ成共名ヲ取タキト云シ者也悪キコトヲシテナリ共名ヲ残シタキト云シ也                  和泉式部《割書:イ越前守能近(ヨシチカ)女又権中納言泰平女|又大江雅輔(マサチカ)女》    あらさらん 心ち例ならす侍し頃と詞書ニアリ 和泉守橘道定【右に「貞」併記】の妻ニ成たるニヨリテ和泉 式部ト云也 例ナラネハ命モ知ぬ程ニ此世ノ外ノ思出ニ今一度逢タキトノ心也                  紫式部   新古    めくりあひて 詞ニわらはより友たちニ侍し人の七月十日頃月にきほひてかへり侍りけれは きほひてはあらそひて也そと友たちに逢て別たるはさなから雲にかくるゝ月の やう【ゆく?一行目参照】なると也雲隠ト云詞哥ニハなよみそと也めくり逢てみたるをそれかそれにて はなきかと思ふまに又別たる程に雲かくれにし月にたとへたり                  大弐三位