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コレクション: 小倉百人一首

小倉抄 - 翻刻

小倉抄 - ページ 6

ページ: 6

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新古夏巻頭  春過て    河やしろしのにをりはへほす衣いかにほせはか七日ひさらん    川社は河にひらいりなといたしてをきたるやう也    二月既去三月巳来 杜子美【杜甫】か句也此句の心に似たる哥也    衣さらせり天のかく山と万葉にもよみたる哥をとりたると也    天ノ香来山天女ノ香モ来ル程高キ山也更衣ノ哥也   引哥    大井川かはらぬゐせきをのれさへ夏きにけりと衣ほす也定家    何も春過て夏きにけりは不及云事なれとも衣ほすてふ天のかく    山にて聞たる哥也天のかく山の衆の衣をほしたるは春か過て夏か    来たるそといふ心也    天照大神天磐戸へ御籠の折に天のかく山の榊をきられさし    たる故に闇の躰に成たるもてりかゝやきたると也然者電衆なとに    天のかく山もきかとみへぬかきかとかく山のみへたるはまた過たること也    衣をぬきたれはこそきかと山かみへたるらんと也白妙の衣をぬき    て山のみへたるは春か過て夏か来れはこそとの心也       人丸 天智天皇の時代の人也 拾  足引の    限もなく長心也人丸の哥は心を本にして景気自然に至たる人    人也独歩古今の問と思(は)れたる人也山鳥は山と隔てぬる物也    尾のかけを合て雌雄か交るを一向思ふ人なくは独ねんか山鳥    なれは独さてねんかと歎したる也  山鳥のをろのはつおと云は遠    国から山鳥をまいらせたれともいかにもなかぬ程に鏡をみせたれは    鳴たると也此哥は夫婦ひとつに居ぬ時の哥也独ある時は山鳥の    おのなかき夜を独ねんするかとの心也       赤人 霊武天皇時代の人也宿禰氏也 新古今  田子の浦に    万葉に詞書ありて也長哥にある時しくそとは四時也    万葉山部宿祢赤人望不尽山歌一首并短歌     天(アメ)地(ツチ)之(ノ)分(ワカレシ)時(トキ)従(ユ)神(カミ)左(サ)備(ビ)乎(テ)高(タカク)尊(カシコキタフトキ)駿河(スルカ)有(ナル)布(フ)士(ジ)能(ノ)高(タカ)嶺(ネ)乎(ヲ)     天原(アマノハラ)振(フリ)放(サケ)見(ミレ)者(ハ)度(ワタル)日(ヒ)之(ノ)陰(カケ)毛(モ)隠(カクロ)比(ヒ)照(テル)月(ツキ)乃(ノ)光(ヒカリ)毛(モ)不見(ミヘズ)白雲(シラクモ)母(モ)     伊(イ)去(ユキ)波(ハ)伐(ハ)加(カ)利(リ)時(トキ)自(シ)久(ク)曽(ゾ)雪(ユキ)者(ハ)落(フリ)家(ケ)留(ル)語(カタリ)告(ツキ)言(イヒ)継(ツキ)将往(ユカン)不(フ)     尽(ジノ)高(タカ)嶺(ネ)者(ハ)