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コレクション: 小倉百人一首

小倉抄 - 翻刻

小倉抄 - ページ 9

ページ: 9

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岐国へ流人たる子細ハある時書をかくとて無悪善と書たると也嵯峨天 皇をそしりての事也ムアクゼント書てさがなくはよからんとよむこれによりて 御覧しとがめられて流罪云々 仁明の時流サレシ也三ノ咎ニ依テ也一ニハ無 悪善二ニハ遣唐使ニサゝレシ時一合舩二号舩ニのらんトテさゝはりと成しと云 三ニハさしたる事にてもなし    俊成ハ姿と云詞と云哀ナル歌ト有 しと也行平のわくらはに問人あらハの心也ソレニハ又違フ歟ト也古今ニ羇旅 ニ入ル也行平ノ歌ハ雑ニ入也                 僧正遍昭    天津かせ 此歌ハ五節の舞姫をみての歌也昔天武天皇の御時芳野にて天人 あまくたりて五度袖を返して舞たるによりて袖振山と云也《割書:芳野ニ|アリ》 それをまねひて今に禁中に五節の舞アリ五度袖を返して舞《割書:シ|故也》 しはしといひたるにてとゝめ跡の事を聞へき也天津風のつの字ハ ヤスメ字也 なまえもなき歌ハ遍昭歌ニハこれら計といひつたへたり 乙女ニ 貧着シタル ト見ルハ悪シ昔ノ天人ソト見テシタフ也                    陽成院     つくはねの 常陸国の名所の筑波山ノ水ハそろ〳〵と落ると也泯江始濫觴入楚乃無底是ニたとへてよめり /推(すい)子内親王を恋給ての御 歌也 筑波根の嶺から落る水のやうなそろ〳〵と侍れともつもりてハ淵 《割書:と|なる》 やうにあるそとの御歌也   八雲御抄ニハ名所にてハ無と也又名所ニ入也 衆ノ惣名也 ミナノ川名所也 ミナノ川ヲ少し身ニカレリそと思ひ初しか 次第〳〵ニふかく成也 院の御心に殊勝也一善ヲ 蓄(タクワフレハ)天下ノ善トナリ一悪 ヲナセハ天下ノ憂トナリ微ヲ慎カ簡要也微ヲ慎ムハ皆君子ノシワサ也                    河原左大臣   ミちのくの 陸奥スル摺也忍ヲ紋ニ付タル摺ハ乱タル限モ知レヌ様ニ也 我ならなく ニハそなた故と也そなた故に心か乱るゝを誰故そと思へハそなた故に と也奥州信夫郡ニスル也乱ルトイハン為也伊語ニテハ我ナラトキル也 春日野ト云タル返事ニハ少々ニテハ成ましき也誰か斗にてか有らんこな たの事にてハ有ましき也よその人故にてあらんと也古今ニテハ三句つゝく也             光孝天皇 也