翻刻
の小円の中に留れり是を以て震動する所の微少なると
地球の広大なる事を思ひはかるべし
一愚按ずるに天地中造化皆本にして末あり本とハ根本にして
心(シン)なり心とハ震動する所の至て猛烈(ハケシ)なる所をさす其心(シン)ゟ
四方へ散じて漸く柔緩(ユルク)成を末とすしかれハ東ゟ揺(ユリ)来る
に非らず西ゟ動き来るにあらず其心(シン)より揺(ウゴキ)初て四方に
至り其浪ハ段々微動にて畢るならん今度震動する所
京師を心として近国に亘(ツタ)り末ハ東武南紀北越西四国
中国に抵る又京師の中にても西北の方心なりし也其時東
山にて此地震に遇し人まづ西山何となく気立升りて
忽市中土烟をたてゝ揺来り初めは地震なることを知れりとなり
亦地震に徴(シルシ)ある事現在見候所當六月二十五日日輪西山に
没する其色血のごとし動七月四日月没する其色亦同じ
和漢合運云寛文二年壬寅三月六日ゟ廿日迄日朝夕