翻刻
大地震アリ地ハ浪のうつことく揺て大木抔枝ミな地を打ふし
なろびながら漸々のがれて去りぬ此時小木の湊ハ山崩れ堂塔ハ
倒れ潮漲(ウシホミナギリ)て舎(イヘ)屋咸(ミナ)海に入大きなる岩海ゟ涌出たり
それゟ毎日小動して翌年六月ニ漸々止たりとなん其
後白国金山ニいたりし時去る地震にハ定めし穴も潰れ
人も損ぜしにやと訪ひしにさハなく皆いふ此地ハ昔ゟ
地震ハ已前にしりぬ去る地震も三日以前に其徴を知りて皆穴
に入らず用意セし故壱人も怪我なしと成其徴はいか
にして知るやと問しに将に地震せんとする前ハ穴の中地気
上升して傍(カタハラ)なる人もたがひに腰ゟ上ハ唯濛々として見へず
是を地震の微にすといへり按るに常に地中に入物ハ地気
を能しる鳥ハ空中ニありて能上升の気を知今度地震
セんとする時数千鷺一度に飛を見る又或人六月廿七日の
朝いまだ日も出ぬ先に虹丑寅の間にたつを見る虹ハ日に