翻刻
むかひてたつハ常なりいつれも常ニあらざるハ微とやいはん
又はじめニいへる地震の和名なゐふる季鷹大人なハ魚
成といふ説二よりて古図を得て茲ニ出す是図こよミの初ニ
出して次ニ建久九年《割書:つち之え | むま》の暦凡三百五十五ケ日と有余ハ是を
略す伊豆の国こゆり珂古ゆり杉崎村寺地ふるき唐紙
の中ニ出る摺まきの磨なりとぞ
蒐記享保九年之御話ニ言く昔四方市といへる盲人は名
誉の調子聞にて人の吉凶悔吝を占フニ少しも違ふこと
なし応山ヘハ御心やすく毎々参りて御次々伺候をし
而晩年ニ及ひて申せしハ由なきことを覚えて甚くやし
終日人ニ交する毎に其人の吉凶ミな耳にひゞきて
いとかしましと申けるよし去ほどに度々の高名挙て
かぞへかたし此四方市朝風に起て僕を呼び扨々あしき