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コレクション: STAGE5

安政見聞録 上 - 翻刻

安政見聞録 上 - ページ 3

ページ: 3

翻刻

にも簡易(かんい)なるこそ。書作(ふみつく)る者(もの)の功(こう)といはめ。然(しか)りと いへども俗輩(ぞくはい)には。いさゝか通(つう)じがたきことあり。因(よつ)て 今(いま)この見聞録(けんもんろく)は。文章(ぶんしやう)の繁(しげ)きをいとはず。多(おほ)く 俗談平語(ぞくだんへいご)を雑(まじ)へ。善悪(ぜんあく)邪正(じやしやう)の差別(けぢめ)をとはず。 見聞(みきゝ)のまに〳〵|掲(かゝ)げ出(いだ)し。人毎(ひとごと)心(こゝろ)に掛(かく)べきことを。 専(もつは)らに録(しる)すになん。それ人(ひと)に五気七情(ごきしちじやう)あり。 喜怒哀楽(きどあいらく)の間(あひだ)に於(おい)て。動(やゝも)すれば心(こゝろ)乱(みだ)れ。其(その) 常(つね)を失(うし)なふめり。平生(へいぜい)思(おも)ひを深(ふか)くして。心中(しんちう) にし感悟(かんご)すれば。凶変(きやうへん)危急(ききふ)の時(とき)に臨(のぞ)み。恩(おん) を忘(わす)れず義(ぎ)を闕(かゝ)ざるの。物語(ものがたり)をさへ具(つぶさ)に挙(あげ) て。童蒙(どうもう)稚女(ちぢよ)を励(はげ)ますの。一端(いつたん)とは            なすものならし  于時安政丙辰季夏        晁善漁父題 銀街【角印】