翻刻
浅草の
なみ木に
ゑいぐわや
ゆめ次郎とて
かんたんのまくらを
かして
ゆめを
あきなふ
ものこの
ごろ
しんみせ
びらき
にて大きに
はんじやう
する
片井
国左衛門
喜津井
武左衛門
両人夢を
みに
くる
【台詞】
まづためしに
半時か
一
時
の
ゆめをみ申そう
はなしのたねに
南一いたみと出よふか
枕はだん〳〵ねだんしだいで
ちがひます一時半時の
ゆめは御そんでござりますあなたさま
がたの御人たいでは一日から上の
ゆめでなければおほしめしに
はかなひませぬとてもの
ことに十日半月になさ
れませ
【店の看板】
邯鄲之御枕
栄華屋夢次郎
【夢の値段表】
一かんたんの□【夢】
ゑいくわの御夢
直段之定
一半時之夢 代拾六銅
一壱時之夢 代三拾弐銅
一壱日之夢 代四百銅
一壱昼夜之夢 代金弐朱
一十日之夢 代金三歩
一半月之夢 代金壱両
一壱ケ月之夢 代銀百目
一壱ケ年之夢 代金弐拾両
十ケ年之夢 代金弐百両
五拾年之夢 代金千両
右之外御望次第
月 日
【額縁】
栄華堂
八十二歳
深川親和