翻刻
成し者百姓分次第に当屋を勤る事也扨二月
朔日より海山の《見せ消ち:弥|珍》物百味調へ神前へ備へ氏子中へ
美を尽し配る事也七日の夜は餅酒はいふに及ず
珍味を調当屋ゟ振舞通《見せ消ち:夜|夜》して哥舞を色々
なせる也此当屋備る也御神水とて半道斗山に
あり此水を以 御供(ミコウ)人の重さ程 焼(タキ)櫃にいれ上に肩衣
一具数珠一連のせて丑刻に神前に備る由是は昔
の犠(いけにへ)人 御供(ミコウ)の粧ひといひ伝へり神秘の事なれ
はあら〳〵敷しれす其外古式多し
又七月廿三日より廿六日は毎歳御揃とて輪嶋中の
祭礼にて近郷隣国より諸商人等集り群集し
て賑敷事限なし廿三日は河井祭礼にて重蔵宮
の御神輿浜伝ひ川尻の御仮屋へ御幸あり御宿
座とて其行粧夥敷なり先ッ浜の左右に柱か
ゞり松明とて長三四間の抱の先に大松明を
出す心付四方へ太き扣へ綱付神輿御通の時にやき
切る様にするとなり扨町中 ひ〳〵に大灯籠立
奉供する事なり此有様夥敷也見物なり又神馬