翻刻
数多事祢宜達競馬抔あり此粧ひは御採とは
催馬楽(サイハラ)といふ略言にや翌日町中御幸あつて御帰
座あるなり廿四日は鳳至町祭礼にて住吉宮町中
御幸あり是も其夜ま町中大灯籠有て美々敷
事同様也廿五日は輪嶋崎祭礼にて天満宮鳳至の
住吉宮へ御幸有て御宿座有其夜輪嶋崎大灯
籠賑敷こと同様なり是も翌日御帰座あるなり
元は何れも十蔵宮の祭礼也昔冬衣の命邪神
退治の為当国一ノ宮より廿三日夜御着船あり此《見せ消ち:添|湊》へ
まし〳〵て悪鳥平け給ふよりの祭礼といへり併し
今此祭礼河合町中旧式色々あつて言ひ伝へるは
神代の事も信《見せ消ち:心|シ》かたし往古此沖廿里に重蔵(へクラ)嶋
とて有此嶋の御神蛇身に《見せ消ち:記|化》し破れ船にのり此
浦にあかり給ふに《見せ消ち:俄|俄》に御産の気あり御輿宿の九
左衛門と言もの前にて御産ありし故今御仮屋の
躰其時有様に蒹抔しきさなから産屋の躰也
其時火を落内の者より貰ひ給ふとて今もさ
いれひの篝松明は川尻の藤内勤る也又其時紙