翻刻
二ツ三ツの價を合て其ひとつの代銀とし
或は珍らしき模様新らしき染色等其好に
任せて仕出し候類すへて此等事のによりて御法
度もやふれ候事に候得者若自今以後何事に
よらす御制禁の旨に違犯之輩有之におゐてハ
急度重科に行はるへし たとひ何方共よりあつ
らへ来候といふ共御制禁の物共うけかふに及
はすのかれ難き子細も有之においては早速
町奉行所に訴出其沙汰に任すへき者也
正徳三年癸巳五月日
〆
長崎表において近年打続き糸類すくなく渡り
来り京都織殿の者共其渡世を失ひ候由去年の春
前御代御聴に達し織物之類和糸を兼用ひ家
業をも取続候様可仕之旨被仰出候 然処に去年以
来真綿并絹紬等商売仕候者共申候処ハ二十年以来
京都江上り候和糸の数次第に相増し諸国より出候
真綿絹紬等年々其数を減し京都にて和糸