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コレクション: STAGE8

地震記 上 - 翻刻

地震記 上 - ページ 10

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 同五日 一今朝ハ宝永度の大変筆記に見えしことく一天晴渡り聊も 雲なきにより心元なくおもひの昼頃となりては潮行お たやかに見へて少しは安気に移りしの七ツ時過となりて ためしもなき大地震前後おほへす家々将戯倒となる 貴賤逃行人々親子ちり〳〵間もなくして町々より出火尤 下市中斗也又津波と見えて潮押入潮江下地濃人 町新町下前は海と成且潰家に打れ或は焼死も数十人 ありと聞也親は子を呼び子は親を尋ね其叫声夥し 其声を聞ては胸迫り命を削ることく寒夜の船中 老躰難凌訳なれとも寒きともおもはす恐なから 上々様方は何方歟 御立除被遊候御事にや拝承仕度 奉存れとも只奉存と斗也夜中も数度震あれとも 心まとひ度数は覚へさる也此日は上町河原に荒紙祭の 相撲有見物に行し人は無難にて家々に帰りし也   実云予も父子共角力場に在て此災害を免れたり扨地震ハ   震動のことく西より鳴り来て東へふるひ渡りし也子細ハ土蔵   なとの潰れし土煙にや空に立登り雲歟と見ゆる物たん〳   立続吸江渡し場辺迄棚引しを川原にて正敷見たる也   夜中の震軽重八十三度有しといへとも実否はしられす   弘列筆記に宝永地震の日は極暑のこととあれとも此度は   寒暖可記事なし高潮の事も火災の事も下に出せる其   部を見るヘし此夜も月色同前に有しと也    同六日