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コレクション: STAGE8

地震記 上 - 翻刻

地震記 上 - ページ 22

ページ: 22

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〇潮江の漁師に助左衛門と云古老有平素能く天気を察  し晴雨等を知る此者去十一月五日の朝東の空にほのかに  月影の見ゆるとて人々にも教え且つ潮の狂も甚しけれは大  変有へし其用意すへしと隣家へも示しける由五日の月の  其朝よりあらわれ出し事天学者流の論も有へけれとも予の  家に来馴たる土民某も其月を俱に見たりとてみずから  語ぬれは聞侭を記しぬ実に巻中の一奇談也     再云地震考《割書:文政十二年七月六日洛中地震の事を|記したる印行の書写して追加に出す》に六月廿七日     の朝いまた日も出ぬ先に虹丑寅の間に立を見る凡虹は日に     向ひて立つは常也いつれも常にあらさるは震の徴とや云んと有  又同日大震あらんとする時巣山の泊鳥林中を出て残らす磯に  下り群集せしを渡海せし者見たりとて語りき     再云地震記に云鳥は空中にありて能上外の気をしる     今度地震せんとする時数千の鷺一度に飛を見ると     有も皆同日の談ならん歟 〇潮江新田辺は大震ニ三日前田地の蚯蚓悉く道路にあかり  死し又死せさるも数多ありて人々不審しけること也震あらんとて  かねて地中には潮の迫り居しものならん蚯蚓の潮気を嫌ふ事は  人皆しる所也是等は末世の考拠にも成へき事ならん歟 〇地震日記《割書:谷脇茂美|筆記》に云予は老体無用の身にて震のゆり