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コレクション: STAGE8

地震記 上 - 翻刻

地震記 上 - ページ 24

ページ: 24

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 事よ是より南の川原に行へくや尤津波のほとも恐しけれは  五台山の山にのほるへしやなと尓来の睦しさにうらなくしめし  合する中又ゆり来り高塀倒れ打れぬ二人即死にて一人蘇  生したるが人に語りて後々まても恐れしと也    再云方丈記《割書:加茂長明|筆記》に云元暦の頃大《ルビ:地震|ナイ》ふる事伝りき    其さま常ならす○其中にある武士の子の六七計に侍り    しか築地のおほひの下に小家作りてはかなけなる跡なし    事をして遊ひしか俄に崩れ埋られて平ラに打ひさがれて    二の目なと一寸計打おされたるを父母かゝへて辨もをします    悲しみあひて侍りしこそ哀れに悲しく見侍りしか    子の悲しみには猛きものゝふも恥を忘れけもをおほへて    いとをしく理り哉とそ見はへりしと有同一談なりき ○蓮池町に浪人医有男児を下婢に負せ他行させしか道にて  土蔵にうたれ埋れて死す間もなく火災と成給れは其父翌  朝尋ね来て屍を掘出しけるに子は両手をして下女か首を  〆下女は又両手を子か背に廻し力を入負たる侭死ても不放  人々しひて引分人とするを父か留めていふ将ニ双方実に余儀  なき事也小児は何心も有ましきに下女か一心不乱に背負て  ゆるまさる忠心見届たり仍て主従合葬を評す也と云付て  其侭始末しけると也哀れなりける最期なる哉