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コレクション: STAGE8

地震記 上 - 翻刻

地震記 上 - ページ 29

ページ: 29

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    かぞへたりけれハ京の中一條より南九條より北京極     より西朱雀より東道のほとりにある頭すへて四万二千     三百余なん有ける云々と有新墓の僧も此意にや何寺     の住侶にや有けん聞まほし ○播磨屋橋南の岸に鋏物屋有手代八九人の内四人土蔵の二階に  在し時ゆり潰され一同埋りぬるに仕合なる事ハ梁や桁や柱や  組ちかひなから倒れ懸りたる透間ありて其所に集り命ハ   助りたれとも土四方より潰れ懸り真の闇と成ぬ聲の出る限ハ  呼けり呼へとも何かハ外に聞けんよしや聞ゆるとも地震ハ隙なく  又津波に恐れ家内の上下ちり〳〵立除たれハ誰ありて此中に  人有事をしらん四人の者とも明に出ん事を神願すれとも術なく  実に盲者の杖を失ひしにひとしく手を空敷して日夜を送る中  家根裏とおほしき所に探り當りけれハあら嬉しやと精力を  尽し内より他事なく《ルビ:掘繰|ホゼクリ》穴ゟぬけて七日といふに此世界に  出たりとそ今二三日も土中にあらん事ハ断食の身叶ハさる  所なるに是必神慮にや有つらんと風説有し ○赤岡浦の役人か大震の場合御蔵米数拾俵取出せし砌なるに  役下の者とも津波とや来らんとて逃出んとす役人大に怒り此  御米を始末せすして立除るへきか津波来らハとかく溺れレ  死なんと其旨下知し御米をハ残らす御蔵に入させ封印をして