翻刻
幼なる時母人にならひたれとも五日の震も七ツ過なれとも
其当時雨ふらす白鳳は人定宝永も八時なれとも大変と
いふ計の事にてさして世の騒といふほとの事を聞す
〇又震の時女童かは〳〵といふは川の水わ見よ干水になり
たれは忽津波入来る徴としらせし諺也とそ此言江戸に
ては万歳楽〳〵と云上方にては世直り〳〵と云文政十亥年
京都大震の時加茂米鷹の狂歌に
大変を太平と書き世直して国もゆつたり家もゆつたりと
よめりしもいつれ後を祝したる諺ならん
〇此一冊の大尾に追加したる印本地震考と云書に云世の諺に
地震ははしめきひしく大風は中程つよく雷は末ほと甚しと
いへる事をもて初の程の大震《割書:文政十三年|京都の大震》はなき事也とつとし
ぬれとも猶婦女子小児の類はいかゝあらんと按しわつらひてい
かにやと尋ねとふ人の多けれは旧記をしるして大震の
後に震ありて止さるためしを挙て人の心を安くせんと
左にしるし侍りぬ《割書:中|略》かく数々有中にも皆初は大震にて
後小動は止されとも初のことき大震はいさゝかもなし我友広島
氏諸国にて大地震に四度逢たり皆其国に滞留して
始末を能くしれり小動は久しけれとも初のこときは一度も