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コレクション: STAGE8

地震記 上 - 翻刻

地震記 上 - ページ 49

ページ: 49

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 御火消方立合ひは震中にて整はさりしにや防火の御仕撰は  なかりしに一己々 の寸志にて大に働き抜群奇特なりし  者ともは追々御聞糺しの上御町方へ御呼出し御褒賞の上  銘々に御銀被成遣一同有かたし少は愁眉をひらきしと也    因に云種崎町広小路に家号を辰巳屋と云富豪有    しに世の盛衰のかれすして近年零落し宅地をも払    今は土種屋といふ者居住せしに大震に数ヶ所の家蔵共潰れ    残らす焼たりしに庭前に名高き二見ヶ浦と号する    大石の手水鉢有火に罹りたれともいさゝかも損せさり    し予かねて此石の事聞及ひ見まほしかりし事年    有しに今は焼野の原となりて踵制する主もなけれは一日    傍に立よりてつら〳〵見たりしに家中市中にも難有    大石にて産は御影石と見ゆ凡地より出たる所《割書:高さ四尺斗|廻二尋斗》    形は堅【竪の誤か】に二段のやうに割目通りたる自然石なるか一方の    高き頂を切立て水溜を丸く掘たり《割書:亘り一|尺五寸》按に二見    浦と名付しは夫妻岩と見立たる名成へし此石に付ては    名談有古老に聞たるまゝを事長けれとも語るへし    そも〳〵辰巳屋勘丞《割書:初代歟ニ|代歟不知》とて頗器量ある買人有    て朝日の豊栄のほることく身代出世して其頃御国中に    双ふ者なく其名四方に轟しと也一手浪算にのほり 【上欄外の余白】   再云土種屋々々   大変後石川   半丞家鋪と成