疫病関連資料を翻刻!

コレクション: コレクション2

瘡家示訓 - 翻刻

瘡家示訓 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

【右】 内々(ない〳〵)に此病あり。されども面(かほ)には紅粉(べにおしろい)を粧(よそほ)ひ外貌(かほかたち) に【「・」 左ルビ】てはさらに病妓(かさかき)とみえず。まことにばけものと いふべし。すでんい妖(ばけもの)といふ字(じ)は。夭(わか)き女(おんな)の二字を。一字と せしなり。豈(あに)おそるべきにあらずや 〇此病の症候(わづらひやう)いくばくといふことなし。はじめは みな下疳便毒(げかんべんどく)よりおこる。これこの病の苗芽(なへめだし)なり。 古語(こゞ)に苗芽(けうげ)にして去(さら)ざれば。ついには斧柯(おのまさかり)を用ひんと すといへり。樹木(じゆもく)の類も苗(なへ)のときにはさりやすし。 【左】 大木(たいほく)になりては去(さり)がたきをいふなり。されば下疳(かやく) 便毒(よとね)は痼疾廢人(ほねがらみかたわ)となるの苗芽(なへめだし)なりといおしれて。 良醫(よきいし)を聞(きゝ)たゞして療治をうけ。心(こゝろ)ながく服薬(ふくやく) すべし。若人(わかうど)はとかににはやくいやさんと速攻(そくこう)のみを いそげとも。此病にかぎり一朝一夕(いつてふいつせき)にはいへず。てまどる ものぞかかし。豪家(あきびと)の倉■(くら)を建るがごとくに。日数(ひかず)を へ(・)ずしては。いゑがたしと心得べし。 〇此病の一名を恥瘡(はぢがさ)といふ。はじめ下疳便毒の