翻刻
【右】
露(つゆ)あれで。八十五とり巳の齢を保(たも)ちふるも。僥倖(ぎやうかう)なりとて。
いなひ参らすも。ゆるされねば。せんすべなみに固陋(ころう)寡聞(くわぶん)
も厭(いと)いで。かゝるひかことの葉を。はじめにくはへぬる
雲しかいふじん。
文化七午年
硃川岱老士
陽■日 高元如 【花押】
【左】
瘡家示訓《割書:一名瘡守土団子|》
四海(しかい)波静(しづか)に。元和(けんわ)このかたの泰平(たいへい)なる
日本開(ひら)けしよりの
御代(みよ)にして。萬異(よろづ)ゆたかなることたうとぶに
あまりあり。世人(ひと〳〵)かゝる未曾有(みぞう)のありがたき
世に鼓腹(こふく)【左ルビ ハラツゞミ】して。なをたれりとせず。たかきも
いやしきも客氣(うはき)にまかせ。飲食(いんしよく)女色(ぢよしよく)の二つに