翻刻
【右丁】
世渡(よわたり)の迷所(めいしよ)【囲み線あり】
【右丁上部】
かううんざんは
おもはずのぼる
こともありつねに
こゝろがけても
のぼりかねる
なんじよ
なり
のぼり
つめれば
くだるみち
あり
うつかりすると
ふみはづして【左丁上部へ続く】
【右丁図内】
高運(かううん)山(さん)【囲み線あり】
その身(み)の花盛(はなさかり)【囲み線あり】
○その身のはなざかりはかううんざんに
ありさかりのうちにみのなる
あとのくふうなければ
かれきとなるべし
家(いへ)の面木(めんぼく)【囲み線あり】
○おもはぬ
ときにはな
ひらく
うんの木(き)
なり
はなさきて
みはうゑへ
なりあがる
と
いふ
みやう
もんの
うち
に
あり
増長(そうちやう)谷(たに)【囲み線あり】
○ぞうちやうだにはかううんざん
しゆつせのたきとりつしん寺の
したにありこゝにおちれば
もとのもくあみだ
みちに
いたる
道あり
しろ
みづを
ながす
出世(しゆつせ)の滝(たき)【囲み線あり】
立身(りつしん)事(じ)【囲み線あり】
○ひゐ木と
いふ木
おほき
ところ
なり
【右丁枠外左下部】
道中二ヘン 十
【左丁上部】
おちる山みち
なり
こゝろをもちひて
ゆだんすべからず
【右丁図内】
みかけた山(やま)【囲み線あり】
○みかけた山は
つねにのぼるべき
たよりをまつときは
みちづれも
あるべし
細(ほそ)もとでの蔦葛(つたかつら)【囲み線あり】
一 足(そく)とび岩(いわ)【囲み線あり】
○てばなし一そく
とびよりかねのつるをとらへんと
するときはあぶないといふ
ばかりみな人はたかみで
けんぶつなり
金(かね)の蔓(つる)【囲み線あり】
○かねのつるに
とりつけば
なんじよも
のぼるべき
たよりと
なる
家業(かげふ)者(じや)越(こへ)【囲み線あり】
○かげふじやごへは
やぶさかてのいり
ようかゝりて
ぬけみちひけ道に
くるしむなんじよ
なれどもまつくろく
なつてみちを
かせげば
かねのつるに
とりつく
ところ
なり
世渡(よわたり)の橋(はし)【囲み線あり】
○こけの
ほそ道に
かゝる
りつしん
じへ
ゆけば
しゆつせの
たきに
おもむくべし
かせ木(き)【囲み線あり】
○かせ木(き)は一山(いつさん)のまへにあるゆへに
かせ木いつさんまへ【注】といふ
【いつさんまへ=一三昧。一つのことに集中すること】