東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

善悪道中記 - 翻刻

善悪道中記 - ページ 17

ページ: 17

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【右丁】 不取締(ふとりしまり)のなげ鎗(やり)【囲み線あり】 ○不取締(ふとりしまり)なげ鎗(やり)は鼻毛(はなげ)山(やま)延太郎(のびたらう)所持(しよじ)なしたりといひつたふ  牝鶏(ひんけい)の昃(あした)【晨の誤】するは家(いへ)のつきる所(ところ)なり女(をんな)大将(たいしやう)と世(よ)によばれたる  かまど将軍(しやうぐん)物事(ものごと)行成(ゆきなり)と朝夕(あさゆふ)の合戦(かつせん)に用(もち)ひ高名(かうみやう)してその家(いへ)  滅亡(めつぼう)に及(およ)びたる家内(かない)第一(だいいち)の不調法(ふてうほふ)なり 三損(さんぞん)の身(み)だ【囲み線あり】 ○三損(さんぞん)の身(み)だ如来(によらい)は○大酒(たいしゆ)の身(み)だ○突合(つきあい)の身(み)だ○やけの身(み)だ    いづれも大損(だいそん)にして難登(なんと)放隆(はうりう)事(じ)の什物(じうもの)なりしを生得(しやうとく)                     大酒(たいしゆ)筆(ふで)をくわへて                      終(つひ)によい〳〵よいと                        ほめ給ひ                           し                      散損(さんぞん)の身だと                         申すは                        これなり 性得(しやうとく)大酒(たいしゆ)の筆(ふで)【囲み線あり】 【三損の身だ図内、掛け軸のしつらえの図柄として】 王緑 老松 【右丁枠外左下部】 道中二ヘン 十四 【左丁右上部】 親(おや)乃 撥(ばち)【囲み線あり】 ○孝行(かう〳〵)をしたいじぶんにおやは  なしとかうくわいすれば   おやのばちを  しるべし 金(かね)乃 撥(ばち)【囲み線あり】 ○とんでおごりをしらず  つかひはたしてめがさめれば   身はしやみせんのどうも    じやうがないといふとき      はじめてしれる        かねのばちなり 【親乃撥・金乃撥図内】 不孝 不知足 【左丁右下部】 ○おやのばちはどらをうつに用ゆかたちは   すりこ木(ぎ)のごとく不孝(ふかう)の文字(もじ)あり ○金(かね)のばちは身上([し]んしやう)左(ひだ)り前(まへ)となり    身(み)をひくとき用ゆこれを  左身変(さみへん)のばちあたりといふみな   道楽(どうらく)寺(じ)の什物(じうもつ)にて散財(さんざい)の             名物(めいぶつ)なり 【左丁左上部】 分散(ぶんさん)二足(にそく)三門(さんもんの)額(がく)【囲み線あり】 【分散二足三門額図内】 馬鹿遅変報 ■【臨ヵ】所当極欲 多文盲愁傷 【左丁左下部】 ○この額(がく)は身上(しんしやう)破滅(はめつ)にいたり家財(かざい)のこらず  見たをし【注①】に売(うり)しろ【注②】なすきものをつぶしの直段(ねだん)に  して台所(だいどころ)道具(だうぐ)の宸筆(しんひつ)といひ伝ふ 五百(ごひやく)薬鑵(やくわん) 杓子(しやくし)如来(によらい) 寄喰(よりく)ふ物(もの) 手桶(ておけ)のみだ  あぶりこ【注③】のはそんかなあみだぶつ火箸(ひばし)の頭(かしら)も   ちん〳〵からといふ土瓶(どびん)さうづの作(さく)いまどやき  ほうろくのかたはれねつからふめぬをねをよみかへ   といふなんじうのがく也○文字(もんじ)はばかのろひへん ほふりんしよとうごくよくだもんもうしうしやうとあり 【注① 極めて安く見積もること。又「見倒屋」の略で、品物を極めて安く評価して買い取るのを職業とする人。】 【注② 売って金銭に換える品物。】 【注③ あぶりこ=餅などを焼くときに使う鉄製の網】