東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

善悪道中記 - 翻刻

善悪道中記 - ページ 23

ページ: 23

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【右丁】  に千米(せんまい)を多(おほ)く貯(たくは)へ高下(かうげ)の価(あたへ)を以(もつ)て袁玄道(ゑんげんだう)に近(ちか)き所(ところ)ありて奸(かん)  智(ち)に更(たけ)たる損像(そんざう)なり本地(ほんち)尻喰(しりくらひ)観音(くわんおん)前(まへ)には欲(よく)の海(うみ)深(ふか)く帆(ほ)を  係(かけ)る船(ふね)を繋(つなぎ)おき後(うしろ)に山々(やま〳〵)多(おほ)く難所(なんじよ)多(おほ)し利欲(りよく)の迷所(めいしよ)なり  その道筋(みちすじ)へは追従(ついしやう)軽薄(けいはく)のため莫大(ばくたい)の進物(しんもつ)を送(おく)り媚諂(こびへつら)ひ  一足飛(いつそくとび)の岩(いわ)あり此道(このみち)彼道(かのみち)の屈曲(くつきよく)を厭(いと)はず金(かね)の蔓(つる)に取付(とりつき)  山(やま)に登(のぼ)るものは巧言令色(こうげんれいしよく)を以(もつ)て表(おもて)に美麗(びれい)を飾(かざ)り裏(うら)に  火(ひ)の車(くるま)の苦患(くげん)あり髪剃(かみそり)の刃(は)をわたり薄氷(うすこほり)を踏(ふむ)難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)  艱苦(くわんく)を経(へ)て山(やま)に当(あた)る修験者(すげんじや)は常(つね)に螺(ほら)を吹(ふき)嘘八百(うそはつひやく)の法(ほふ)を  行(おこな)ふ是(これ)を法(ほふ)に係(かけ)るといふこの山(やま)に三杉四杉(みすぎよすぎ)の七本杉(しちほんすぎ)あり  金主(きんしゆ)転倒(ころばし)といふ橋(はし)あり山子(やまし)玄関(げんくわん)の跡(あと)前(まへ)広(ひろ)く奥(おく)ゆき 【右丁枠外左下部】 道中二ヘン 二十 【左丁】  狭(せま)し立派(りつぱ)をつくしたり法物(ほふもつ)多(おほ)し○弁口(べんこう)震(ふるひ)の玉(たま)《割書:蘇秦(そしん)張義(ちやうぎ)|より伝来(でんらい)》○  語詫(ごたく)の獏(ばく)○大面(おほづら)の仮面(めん)《割書:西(にし)の国(くに)糠俵(ぬかだはら)百万石(ひやくまんごく)の領主(れうしゆ)より寄附(きふ)|文盲(もんまう)にして人(ひと)を見下(みくだ)すときもちゆ》○偽物(いかもの)  作(つくり)の御太刀(おんたち)○妙殿子(めうでんす)筆(ふで)狼(おほかみ)の衣(ころも)着(き)て狐(きつね)を馬(うま)に乗(のせ)たる絵巻物(ゑまきもの)  其外(そのほか)あまたあり 山(やま)の奥(おく)行止(ゆきどま)りに七面堂(しちめんだう)あり総(すべて)る【総而(すべて)ヵ】鼻(はな)の下(した)  喰(く)ふ殿(でん)建立(こんりう)なり護摩堂(ごまだう)に修法(しゆほふ)に用(もち)ひし薄情(はくじやう)一本(いつほん)あり  ごまの灰(はい)にて作(つく)りたる前立(まへだち)もありといふ 算要(さんえう)道(だう)金銀(きん〴〵)都会(とくわい)の湊(みなと)  この所(ところ)は四民(しみん)とも経済(けいざい)第一(だいいち)の繁花(はんくわ)の地(ち)にて町数(まちかず)殊(こと)に多(おほ)し  五節句(ごせつく)二季(にき)は別(べつ)して群集(くんじゆ)なす大福(だいふく)町(ちやう)元町(もとちやう)金銀(きん〴〵)出入(でいり)町(ちやう)仕(し)  入(いれ)町(ちやう)小遣(こづかひ)町(ちやう)そのほか大家(たいか)小家(せうか)小商人(こあきんど)ともに種(さま)ゝ(〴〵)の町(ちやう)あり入口(いりくち)