東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

善悪道中記 - 翻刻

善悪道中記 - ページ 8

ページ: 8

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【右丁】  たるも此(この)神(かみ)の御山(みやま)には自然(しぜん)質朴(しつぼく)にして五常(ごじやう)の道(みち)を守りて少(すこ)しも邪(よこしま)の  道(みち)に至(いた)らず足事(たること)を知(し)り身(み)の分限(ぶんげん)を弁(わきま)へ皆(みな)独(ひとり)を慎(つゝし)むことを知(し)る世人(せじん)この  社(やしろ)に丹誠(たんせい)を凝(こら)して祈誓(きせい)し身(み)の行(おこな)ひを全(まつた)うするものに哀憐(あいれん)納受(なうじゆ)  垂(たれ)給はずといふことなし謹(つゝしん)で尊神(そんしん)の徳風(とくふう)を守(まもる)ことを知(しら)しむる霊社(れいしや)也 実母山(じつぼさん)平産全事(へいさんぜんじ)《割書:事(じ)は寺(じ)の字違(じちがひ)の|こぢつけ也としるべし》和合(わがふ)の道筋(みちすじ)にあり抑(そも〳〵)当産(たうさん)は  女房(にようばう)大事(だいじ)草創(さう〳〵)の地(ち)にして懐胎(くわいたい)十月(とつき)養生(やうじやう)手当(てあて)厳重(げんぢう)の場所(ばしよ)なれば  臨産(りんざん)に至(いた)り出入(でいり)の取揚(とりあげ)老婆(ばゝ)介抱(かいはう)深切(しんせつ)にして当(あた)る臨月(りんげつ)安産(あんざん)まし  まし産声(うぶごゑ)高(たか)く爰(ここ)に出現(しゆつげん)ある所(ところ)の赤子(せきし)早(はや)めを呑(のみ)だ《割書:弥陀(みだ)|なり》本地(ほんち)男子(なんし)  家督(かとく)相続(さうぞく)のため降誕(がうたん)まします人倫(じんりん)栄続(ゑいぞく)の如来(によらい)也(なり)始(はじめ)は性善(せいせん)の身(み)  だ《割書:一身(み)だは|弥陀(みだ)也》とまうし奉(たてまつ)り本然(ほんぜん)如来(によらい)教諭(けうゆ)なし給ふ亦(また)ある時(とき)は悪魔(あくま)の為(ため) 【右丁枠外左下部】 道中二ヘン 五 【左丁】  に放蕩(はうたう)不懶(ぶらい)の姿(すがた)を現(げん)じ家(いへ)の興廃(こうはい)幼児(えうじ)の中(うち)に定(さだめ)難(がた)し然(さ)れども  手習(てならひ)学問(がくもん)諸芸(しよげい)密法(みつほふ)修行(しゆぎやう)の星霜(せいさう)累(かさな)り成長(せいてう)あり両親(りやうしん)菩薩(ぼさつ)  の慈愛(じあい)深(ふか)く身分(みぶん)相応(さうおう)にあまやかし養育(やういく)あつて終(つひ)に五尺(ごしやく)の体(からだ)を安置(あんち)  し給ふ赤子(せきし)の身(み)だ《割書:弥陀(みだ)|なり》則(すなはち)是(これ)也 当時(たうじ)にある所(ところ)の宝物(はうもつ)多(おほ)し   昔噺(むかしばなし)の絵巻物(ゑまきもの)《割書:むかし〳〵あつた土佐(とさ)の又平(またへい)筆(ふで)| 桃太郎(もゝたらう)一代記(いちだいき) 花咲(はなさき)老爺(ぢゝ)伝記(でんき) 舌切雀(したきりすゞめ) 狸汁(たぬきじる)兎(うさぎ)手柄(てがら)|                        はなし》    猿蟹(さるかに)合戦(かつせん) 鼠(ねずみ)の嫁入(よめいり) 狐(きつね)のよめ入(いり) 其外(そのほか)一代記(いちだいき)といふ名将(めいしやう)勇士(ゆうし)の画伝(ぐわでん)多(おほ)し   於乳母(おうば)の日傘(ひがらかさ)《割書:錦絵(にしきゑ)にて|はりたり》 手(て)の裏(うち)の玉(たま)《割書:蝶(てふ)よ花(はな)よの模様(もやう)あり女児(むすめ)は|箱入(はこいり)にして深窓(しんさう)にあり》   手遊(てあそ)びの張籠(はりかご)《割書:種類(しゆるい)|おびたゝし》 苦労(くらう)苦患(くげん)之(の)像(ぞう)《割書:下品(げぼん)両親(りやうしん)養育(やういく)の御作(おんさく)|一統(いつたう)丹誠(たんせい)といひつたふ》   恩愛(おんあい)親王(しんわう)   心必(しんひつ)の短冊(たんざく) 【左丁左下部、四角枠内】 はへばたてたてばあゆめと子(こ)をおもふ わが身(み)につもる老(おい)をわすれて    古歌