東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 115

ページ: 115

翻刻

【右丁】 痘初て出る時 蚤(のみ)の喰(くい)たる跡(あと)のごとく二日 目(め)より 大さ粟粒(あはつぶ)のごとく三日目より赤小豆(あづき)のごとく次第 〳〵に大になりて豆のごとくになりてその色すき わたりて玉のごとく紅(くれなひ)の糸(いと)を以 根(ね)をまはしたるやう にして大小便 常(つね)のごとく飲食(いんしよく)常(つね)のごとくなるを順(じゆん) 症(しやう)といひて薬を服(ふく)するに及ばぬるなり以上の諸説 保嬰論(ほうゑいろん)保赤全書(ほうせきぜんしよ)等(とう)に見えたり ○放標(はうへう)の悪証といふは発熱(ほつねつ)ありて半日一日の間(あいた)に 痘(いも)出る第一の悪症(あくしやう)なり二日の後出るこれに次べし発 熱あるとそのまゝ痘(いも)出る者は九死一生としるべし ○痘出て熱一へんさし出又痘出る事一へんする者 【左丁】 は悪し ○痘始て出る事 蚕種(かいこのたね)のごとくなるものは悪し ○痘出てその色しらけ肉(にく)の色(いろ)と同(おなじ)き者は悪し ○痘出て全く起脹(きちやう)せず焼湯瘡(やけど)のかたちのごとくな るは悪し ○痘出るかとおもへばかくれかくるゝかとおもへば又あらはるゝ 者は悪し ○痘出てその皮(かは)うすく破(やぶ)れやすく汁(しる)出る者は悪症也 ○痘出て後も腰痛(こしいたむ)事 甚(はなはだし)く口(くち)臭(くさ)く息(いき)あらく短気(たんき) なる者は悪症なり ○痘出そろひて後も熱いまだ退(しりぞく)事なく譫言(そゞろこと)をなし