東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 120

ページ: 120

翻刻

【右丁】 き者は九死一生なり急(きう)に大料(だいりよう)《割書:大ふくを|いふ也》の人参を用ざれ は救(すく)ふ事なし総(そう)【惣】じて痘瘡 貫膿(くわんのう)の時節は人参を 用たるがよき也此 意(こゝろ)は元気(げんき)を表分(ひやうぶん)にはこび出すを 以内はかならず虚弱(きよじやく)になるものなれはなり能々心得 へき事なり ○貫膿の時節手にてなづるに皮(かは)軟(やはらか)にして皺(しば)む者は悪し ○貫膿の時節にいたりても痘の色 紅(くれなゐ)なる者は血実(けつじつ) 熱毒(ねつどく)の症なり必 紫(むらさき)色に変(へん)じ後には黒色になりて 死するなり ○貫膿の時にいたりて総【惣】身はいづれもよく膿(うみ)をもつと いへ共ひとり天庭(てんてい)《割書:天庭とは眉(まゆ)の上の|額の真中をいふ也》の所貫膿せざるは 【左丁】 悪症なり必変して死にいたるなり ○貫膿の時痘瘡よくはり起りて見ゆれ共其中水 多くして膿(うみ)すくなく痘(いも)の勢(いきほひ)脹起(ちやうき)に似(に)たる者は極めて 悪症なりこれを庸医(ようい)は大形(おほかた)よき勢の痘と心得て 油断(ゆだん)して多くは変して死するにいたる能々心得へき 事なり ○貫膿の時節 面目(めんもく)の腫(はれ)早くしりぞき瘡(かさ)陥(おちくぼ)り膿(うみ) 少きものは悪し総【惣】じて痘の病人の顔(かほ)の地(ぢ)腫(はれ)はや く減(へる)事は悪証なり痂(ふた)落(おち)て後までも地腫ありて漸(ぜん) 々(〳〵)に減(へる)ものを吉(よし)とす ○貫膿の時しきりに痘瘡(いも)痛(いたみ)を発(はつ)し堪(たえ)がたきものは