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【右丁】
名つくこれ皮膚(ひふ)の気(き)弱(よは)きゆへなり急(きう)に保元湯(ほうげんたう)《割書:薬|方》
《割書:前に|しるす》を大料(だいりやう)にして用べししからざれば痒(かゆ)きに変(へん)じ
て救(すく)はざるにいたるすべて痘(いも)は大形(おほかた)仕取(しとり)たるとおもへ
共十日過のかせくちに必 変(へん)じて悪症(あくしやう)出(いづ)るものなり
八日九日のあいだによく飲食(いんしよく)をつゝしみ風(かせ)にあたら
ぬやうにすべしその時分は病家(ひやうか)もつかれ看病(かんびやう)人も
多くは眠(ねふ)りてゆだん出来るものなり年(とし)老(おひ)たる女
の物に馴(なれ)て性(しやう)静(しづか)なるを付そへて瘡(かさ)の色(いろ)病(やまひ)のしな
夜な〳〵の苦(くるし)みを医師(いし)にかたらしむべし小児はとに
かく飲食(いんしよく)のつゝしみあしき故(ゆへ)にその害(かい)多し乳飲(ちのみ)
子(こ)は乳母(めのと)の食物(しよくもつ)をつゝしませ色欲(しきよく)の念(ねん)をおこさぬ
【左丁】
やうに怒(いかり)をなさしめぬやうにすべし多くは乳母(めのと)のつゝ
しみあしきゆへにその害(かい)児(ちご)におよぶなり十四五
歳の病者(びやうじや)よりは飲食(いんしよく)と色欲(しきよく)とに心をつくべし
いケほど軽(かろ)き痘(いも)なれ共此二ツをつゝしまぬ時はかな
らず変(へん)じて死(し)にいたるなり能々心得べき也
○総【惣】身いまだかせざるうちにまつ口 唇(くちびる)腐爛(くちたゞれ)て白く
舌(した)まで白くなる者は悪証なり
○収靨(かせ)の時にいたつて飲食まつたくすゝまず口 唇(くちびる)
つねに物を喰(くら)ふがことくしきりに動(うごき)てとゞまらざる
者は九死一生なり
○総【惣】身の痘瘡(いも)収靨(かせ)にいたらず汁(しる)膿(うみ)出て総【惣】身たゞれ