東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 139

ページ: 139

翻刻

【右丁】 ○ 兔(うさぎ)の肉(にく)を煮(に)て食(しよく)する時はあらかじめ痘毒(いものどく)を解(げ) するの妙(めう)ありと本草綱目(ほんざうかうもく)にのせたり ○活幼心法(くわつようしんほう)の説に痘(いも)の毒(どく)は胚胎(はらごもり)の時より稟受(うけうけ)て五 臓六腑に潜(ひそま)【僭は誤】り伏(かく)れて声(おと)もなく臭(か)もなきの毒(どく)に して数年(すねん)の後たま〳〵天地の気運(きうん)の邪気(じやき)にさそ はれて出る病なればあらかじめ防(ふせ)ぎ解(げ)するといふの 理(ことはり)なし予(よ)か婦(ふ)男女(なんによ)の子十人を産(さん)すいづれも痘(いも)を やめりこゝろみにあらかじめ痘の毒を解する薬(くすり)を 用たる者六人ありみなその痘かへつて重し薬を 用ざる者四人あり皆その痘いたつて軽(かろ)かりきこれ をもつて見れは痘毒(とうとく)の軽重(けつぢう)は胚胎(はらごもり)の内より定(さだま) 【左丁】 りたる事なりとしるべしあらかじめ解するの薬 みな脾胃(ひゐ)をやぶる剤にして損(そん)あつて益(ゑき)なしと 見えたり聶尚恒(しやうしやうごう)の此 論(ろん)議に至極(しごく)の理(ことはり)なり 本邦 にても富貴(ふうき)の家は隣(となり)の国里に痘瘡(いも)はやるといへば あらかじめ防(ふせぐ)といひて種々の薬を用なり古人の語(ご) にも薬を服(ふく)せざる中 医(い)を得るとあれは用ざるには しかじ ○外よりなす事は何事にても苦(くる)しかるまじき事 とはいへどそれさへ又その品によるべきなり元禄の 初年(しよねん)に築紫(つくし)日向(ひうが)の国のかたほとりにあやしき巫(かんなぎ)あ りて神の乗移(のりうつ)り給ふといひて希有(けう)なることを