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【右丁】
折ふしごとに児に対(たい)して此方(こなた)よりも物がたりする
やうに愛(あい)をなせば児もよく打わらひてその人のまね
をしてかたるがごとくするものなりかくしなるれはもの
いふ事はやく人みずをせずして客忤(かくご)の病を発(はつ)す
る事なし
○千金論(せんきんろん)に児生れて二百四十日に堂骨(とうこつ)定(さだ)まる此
時にいたつて座(ざ)する事 葡匐(ほふく)《割書:はらばひ|するをいふ》する事を教(おしゆ)べし
三百六十日にいたつては乳母の類(たぐひ)たすけて歩行(ほかう)
する事を教(おそ)へしむべきなりと見えたり 本邦(ほんほう)の人
もかくのごとくする事なり漸(やうや)く児(ちこ)立んとする時は
乳母の類たすけてたち〳〵といひてたつ事を教(をし)
【左丁】
へ漸く歩行(ほかう)せんとする時はあゆみ〳〵といひて歩行
する事を教べし富貴(ふうき)の家(いへ)はたゞその児を愛(あい)し
すごして抱(いだ)きてのみあるによりて多くはたつ事
もおそく歩行する事もおそきもの也能々可心得也
㊁和俗(わぞく)児(ちご)に拍手(てうち)【柏は誤】振頭(かぶり)を教(おしゆ)るの説
○和俗(わぞく)児子物を見識(みしり)手(て)を動(うごか)す時にいたれは乳母の類
まづ教るに拍手(てうち)といふ事をなさしむるなりわが
日本の古礼(これい)に貴(たつと)き人を拝(はい)する時 拍手(かしはで)といひて両の
手を合てうつ事あり 持統天皇(ぢとうてんわう)御位(おゝんくらゐ)に即(つか)せ給ふ
正月に公卿(くきやう)百官(ひやくくはん)列座(れつざ)して迊(めぐり)拝(おが)み奉りて手をう
つて礼すると日本紀(にほんぎ)に見えたり周礼(しゆらい)といふ中花(もろこし)の