東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 153

ページ: 153

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【右丁】 事 叶(かな)はぬ類(たぐひ)の者多したゞ児子は我(わが)まゝならぬやうに 教(おし)ゆれば邪気(じやき)のなきものにしてひたふるならつて 性(せい)となりて不作法(ぶさはう)なる事なきものなり能々可心得 事也 ○礼記(らいき)の内則(だいそく)に児子よく物をいへは男(おとこ)は唯(い)し女(おんな)は愈(ゆ)す と見えたり男子(おのこゞ)の返事(へんじ)はすみやかにしてはつきりと いひならはせ女子のこたへはゆるやかにしてやはらかにい ひならはするの事なり   ㊃和俗(わぞく)児子(ちご)に破魔弓(はまゆみ)羽子(はね)紙鳶(いかのぼり)竹馬(たけむま)殿事(とのごと)炊(まゝ)    事(ごと)の戯(たはむれ)をなさしむるの説 ○毎年(まいねん)正月に四民(しみん)共に男子(おとこのこ)には破魔弓(はまゆみ)をもてあそ 【左丁】 ばしめて弓(ゆみ)射(い)る事をしらしむるなりわが 日本(にほん)の国風(こくふう) は武(ぶ)を専(もつはら)とする事なれは治(おさま)れる世にも武(ぶ)を忘(わすれ)れ【衍】ざる 意(こゝろ)なるべし 日本(にほん)をさして中花(もろこし)より東夷(とうい)といふも 夷(い)の字(じ)は大(だい)に从(なら)【ママ 注】び弓(ゆみ)に从(なら)ぶといひて大弓(おほゆみ)と書なれは  日本の弓ほど大なる弓はなくしてその国風(こくふう)武(ぶ)を たつとぶ事をしるべしいま児子をして破魔弓(はまゆみ)を 持(もち)てかけ廻(まは)りかけ走(はし)らしむれば熱(ねつ)ももれ病(やまひ)なく歩(ほ) 行(かう)健(すくやか)ならしむるの意(こゝろ)なるべし ○続博物志(ぞくはくぶつし)といふ書に春(はる)の時に紙鳶(しゑん)を作りて風にふ かせ小児の戯(たはふ)れとなさしむる事は児をして空(そら)にむ かひて気(き)をはき風にふかれて熱(ねつ)をもらさしめん 【注 从は従の本字にして「ならぶ」の義なし】