東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 21

ページ: 21

翻刻

【右頁】 邪(じや)おかしやすきなり中花(もろこし)にては十日に一へん宛(づゝ)洗ふ なり 本邦の風俗は二日三日に一へんあらひ又は毎日(まいにち) 洗へば児子の元氣(けんき)もれ皮層(ひふ)薄(うす)くなりて風を引やす し十日とあらはねは児子は熱(ねつ)のつよきものにて瘡(かさ) 癤(ねぶと)を生ず大形(おほかた)は二日三日めにあらひてよし常(つね)に児子 に浴する時 股(もゝ)の付 根(ね)又は脇(わき)の下などを念(ねん)を入て洗ふ べきなり ◯證治準縄(せうぢじゆんじやう)に児子を洗ひてのち米粉(こめのこ)をすりぬり或は 牡蠣粉(ぼれいのこ)をすりぬるべしと見えたり《割書:啓益|》按(あん)ずるに米粉 を用れば小児(せうに)によりて肌(はだ)に虫(むし)を生し虱(しらみ)を生ずる事 あり牡蠣粉(ぼれいのこ)或は葛粉(くずのこ)又は天花粉(てんくわふん)をすりぬりたるがよ 【左頁】 しかくのごとくすれは夏は痤疿(あせぼ)を生せずいづれも皆粉 を随分(ずいふん)細(こま)かにしてぬるべし児子は皮膚(ひふ)の理(きめ)こまやか にやはらかなれば麁末(そまつ)なる粉をすりぬればかへつて 其あたりたる所かぶれて瘡(かさ)となるものなり又児子に よりて腮(あぎと)の下又は股(もゝ)の付もと脇(わき)の下たゞれて 汁(しる)を 出すあり上(かみ)にいふ所のごとく浴させて天花粉牡蠣の 粉の類をすりぬり或は碾茶(ひきちや)をすりぬるもよきなり   ㊆乳付(ちつけ)の説(せつ)《割書:付たり|》乳母(にうぼ)をめのとゝいひ摩(ま)〻(ゝ)といふの説 ◯生れ子取擧て後 古(ふる)き衣類(いるい)又はふるき綿(わた)を襁褓(むつき) としてつゝみまくべしいま児子 胎内(たいない)のあたたかなる所よ り出て風日(ふうじつ)を見れば夏の時といへども衣類にまきて