東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 31

ページ: 31

翻刻

【右頁】 あり乳母によりて大ひに寝(ね)て児をして己(おの)が身にて しき殺(ころ)す類(たぐひ)の事 多(おほ)したとひ殺(ころす)にいたらざれとも 手足(てあし)をしてかたわになさしむる事まゝおほき事也 能々心を付へき事なり   ㊉乳母(めのと)の病(やまひ)によりて児子病を生(しやう)ずるの説(せつ)《割書:付たり|》    乳汁(にうじう)出(いで)ざる時用る薬剤(やくざい)の説 ◯生(せい)々(〳〵)子(し)の説に乳母は常(つね)に飲食(いんしよく)を慎(つつし)むへし乳母の 飲食すなはち乳汁となる辛(からき)物 辣(たゝがらき)物 味(あぢわい)の厚(あつき)物 熱(ねつ)つ よき物 肉食(にくしよく)油氣(あぶらけ)酒(さけ)の類(たぐひ)をいむべしこれを犯(おか)せば乳母 の脾胃(ひゐ)に熱生ず其 乳(ち)を飲(のめ)は児子(ちご)をして病を生し 頭(かしら)面(おもて)に瘡(かさ)を生ずるなりと見えたり和俗(わぞく)これを乳越(ちこし) 【左頁】 といふ也 惣(そう)じて乳母に熱あらばいづれの病にてもはやく 上手の醫師(いし)を頼(たのみ)【「み」の重複】て療治(りやうぢ)すべし乳母に飲しむる薬(やく) 剤(ざい)には甘草(かんざう)を少しく用て多(おほ)からしむる事なかれ甘草 をおほく入れは脾胃(ひゐ)の氣(き)塞(ふさが)りて乳汁(にうじう)に妨(さまたげ)ありと 古来(こらい)より 本邦(ほんほう)に云傳(いひつたふ)る事なり本草を考(かんが)ふに甘 草の乳汁に妨ありといふ事を載(のせ)ずしかれ共多くこゝろ みてたがはす心得へき事なり ◯乳母(めのと)故(ゆへ)なきに乳(ち)出(いづ)る事すくなく漸(やう)〻(〳〵)にうすくなる事 あり乳母かならず此事をかくすものなり折ふしごとに 乳(ち)をしぼらせて見るべし乳(ち)うすくして出(いで)かぬる時は はやく驚(おどろき)【「き」の重複】上手の醫師(いし)を頼(たのみ)て薬(くすり)を用べし和俗(わぞく)は乳