東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 37

ページ: 37

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【右頁】 と見えたり運歩集(うんほしう)にかにとりとは龜鳥(かめとり)をいふ五音(ごゐん)通ず る故(ゆへ)なりと見えたり鸖龜(つるかめ)を付る事は齡(よはひ)の久(ひさ)しきに とるなり和俗(はぞく)多(おほ)くはかにとりといふ事をしらずしてかに 鳥とはかにとり草(くさ)といふものありなどゝいひてあやし く名もしれぬ草などをそめ付る類(たくひ)多(おほ)し甚(はなはだ)しき 者は蟹(かに)と鳥(とり)とを付るもありわらふべき事なり講説(かうせつ) には生れ子に新(あらた)なる衣類(ゐるい)を着せしむべからざるのことの もとなりと傳(つた)え侍(はべ)るなり中花(もろこし)日本(にほん)共(とも)に昔(むかし)より小児には あらたなる衣類を着する事をいましめたる意(こゝろ)をさとる べきなり ◯日本の風俗(ふうぞく)にて生子に着する衣類に紐(ひも)をつけて 【左頁】 二三歳まではゆるりとむすびてをく事なりこれも 小児は𤍽(ねつ)つよきものなればねつをつゝみこめまじき との事たるべし三四 歳(さい)にいたりて長(おとな)のごとく帯(おび)をさ する事なり ◯日本の風俗にして小児の衣服(いふく)男女(なんによ)共(とも)に十五六 歳 までは脇(わき)の下をぬいさして着せこれをわきあけと いひ又は振(ふり)そでといふ《割書:啓益|》おもふに皇太子(くわうたいし)親王(しんわう)以下(いげ) も御幼稚(ごようち)の間(あいだ)は缺腋(けつてき)とて脇(わき)あけの御袍(おんうへのきぬ)を召(め)さ せ給ふよし此 意(こゝろ)はいとけなき中(うち)はかけはしりの便(たより)に よきためなりと傳(つた)へ侍(はべ)る此等(これら)の事によりて見れば いとけなき者に脇あけを着するは屈伸(くつしん)【「のびかゞみ」左ルビ】《割書:のびかゞみの|事をいふ》