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【右頁】
のなる木又はあやしき花のつく類(たぐひ)の木の人の愛(あい)し重寳(てうほう)
とするはこれにつちかひ水そゝぎ養(やしな)ひを加(くはゆ)れ共 秀(ひいで)茂(しげる)事
なくたやすく果(このみ)もみのらす花もさく事なくあまつさへ
枯(かるゝ)にいたるがことしと見えたり然(しか)れば小児(ちご)をそだつる事は
たゞ野山(のやま)の草木(くさき)のごとく風の氣日のめにあたらしめて吹(ふき)
すかすやうにすればよく盛長(せいちやう)するなるべしさはいへども風の
烈(はげし)【冽洌ヵ】き所日のつよく照時(てるとき)にあつる事なかれ天氣(てんき)やはらぎあ
たゝかなる時とても久しく日陽(ひなた)に置(おく)べからず大人(たいじん)さへひさ
しく日向(ひなた)の氣(き)にあたればその氣にうたれてはかならず
頭痛(づつう)を発(はつ)するなりいはんや児子(ちご)その氣にたえんやひさ
しく日向誇(ひなたぼこり)をなすべからず
【左頁】
○保嬰論(ほうゑいろん)に児子(ちご)生(むま)れて六十日の頃 目(め)の瞠(ひとみ)さだまる故(ゆへ)に
よく物を見しりよく笑(わら)らひ人を見識(みしる)なり此時 見馴(みなれ)ぬ人
に見せ抱(いだ)かせする事なかれもし抱(いだ)かせ見せすれは必(かならず)おび
ゑて驚風(きやうふう)の病を生ずるなりこれを客忤(かくご)と名付と見え
たり殊に児によりて人見ずをする生れつきありケ(か)
やうなる児子には猶更外より来たる客人(きやくじん)なとに逢(あは)し
むる事なかれ
○千金論(せんきんろん)に小児 漸(やうや)く人を見知り物を見しる时 神(しん)■(びやう)【廟ヵ】
《割書:堂寺社頭(どうてらしやとう)|などをいふ也》のほとり塚(つか)のあたりに携(たづさ)へ行(ゆく)べからずと云へりすべ
て児子を愛(あい)するとて異形(いぎやう)のものをそろしきものな
どにて愛しすかす事なかれ或(あるひ)は神佛(かみほとけ)の前(まへ)へつれ行