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【右頁】
母両精(ぼりやうせい)の陰陽(いんよう)左右合一(さゆうがういつ)の道理(だうり)を以物を二つ打あはせた
るがごとく背(せなか)は督脉(とくみやく)とて一筋(ひとすぢ)とをり腹(はら)は任脉(にんみやく)とて一筋と
をりたる脉(みやく)あり鼻(はな)の下の人中(にんちう)といふ溝(みぞ)も皆 合(あわせ)めとし
るべし和俗(わぞく)人の形(かたち)を佛(ほとけ)作(つく)りて合せたるがごとしといふ
実(まこと)にさる事なりいま佛工(ぶつこう)の佛(ほとけ)を作(つく)るを見るに真中(まんなか)ずみ
をして二つにして合せたるものなり此 顖門(しんもん)の所を心を付
て見るべし此所くぼみをちいりて坑(あな)をなす者 或(あるひ)は高く腫(はれ)
起(おこ)る者又はその所の合め両方へひらき真中に溝(みぞ)の立たる
小児は病ありと心得べし惣(そう)じて児子は顖門の所両方の
合目とくとあひて溝の見えぬやうにて動(うご)きおどる事
すくなきを無病(むびやう)の児と心得べきなり
【左頁】
◯薛鎧(せつかい)の説(せつ)に小児一歳 以前(いぜん)は虎口(こかう)の三關(さんくわん)を見て其
病をみるべし一歳 已後(いご)五歳までは医師(いし)の大指(おほゆび)ひとつ
を以其上中下 三部(さんぶ)を診(こゝろむ)べきなりと云へり虎口(こかう)の三關
とは小児の左右(さう)の手の食指(ひとさしゆび)の内の三節(みふし)の間をいふ此
三節の間に種(しゆ)〻(ゞ)の紋(もん)をあらはすを見て其病をしる
事なり三關の圖(づ)を㔫(さ)【「ひだり」左ルビ】にしるす
【三關の圖 上段に手の母指球の上に「虎口」、食指の上に 命、氣、風の三文字がある】
【図の下段に食指の文字の説明文】
風關(ふうくわん)といふは下の第一 節(ふし)の間
氣關(きくわん)といふは中の第二 節(ふし)の間
命關(めいくわん)といふは上の第三 節(ふし)の間
これを虎口(こ[か]う)の三關(さんくわん)といふ
なり